アーティスト 加藤雄太 のブログ
展覧会のレヴュー、本の感想、その他制作の日々の模様など。
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『爆笑問題のススメ』
爆笑問題のススメ』が、昨夜で終了しました。
数少ない、見ているテレビ番組が減った感じ。

これは、毎週本を出している作家や小説家1人ゲストに読んで、話聞くって番組。
好きだったんですよ。

僕は、爆笑問題というか太田光という人は、けっこう評価していて(なんか超偉そうない言い方/笑)、普段ふざけているけど、超孤独な人生だったらしいし、すごい読書家で本はハンパじゃない量読んでるし、きらりと鋭い意見を社会や政治に対して持っていて、まぁ、そういう面はあまり表に出しませんが、そんな彼の真面目なところが、1番見ることが出来るのが、この番組だったのでは、と思うのです。

で、最終回は、「死ぬまでに読め!のススメ」ということで太田さん本人がゲストということでやったのですが、面白かったので、ちょっと紹介。

オススメの本3冊と究極の1冊を紹介していた。



まず、1冊目。
晩年』太宰治

友達のいなかった17歳の時に読んで、ものすごい衝撃を受けた、と。
要するに、自分の汚い部分を、太宰が痛烈に告白していた、と。
人生を変えた1冊とのこと。
かなり熱く語っていた。



2冊目、
銀河鉄道の夜』宮沢賢治

同じ頃に読んで、太宰と対局の世界、つまり、自分のこととかそういった事とは無縁に、ファンタジーの世界を純粋に楽しめた、ということのよう。

日本の作家で信頼しているのは、太宰治と宮沢賢治の二人だ、と言っていた。



3冊目。
フラニーとゾーイー』J・D・サリンジャー

晩年で、自分の汚さなどについて、同じように思っている人に驚き、大学に入ってからこの本で救われたらしい。
ナイン・ストーリーズ』の続編なのかな?
「人間なんて所詮完璧ではないんだから、それでいいんだよ」みたいなメッセージに、救われた、というようなことを言っていた、はず。




最後。
氏の全ての読書の中で、最高の1冊。
タイタンの妖女』カート・ヴォネガット・ジュニア

最後の落ちに、ものすごいハッピーになり、感動のあまり号泣したらしい。
ちなみに、事務所の名前もここからとったとのこと。(社長は奥さんですね)
これも読んで、やっぱり救われたのかな?ちょっと、確認をめんどくさがっているUTです(笑)。
てか、そこまで言われると気になるので、買ってきました(笑)。そのうち読みます。


ということでした。
やっぱり、メッセージの受け取り方とか、すごいなぁ、って思うんだけどね、僕は。
あとは、読書の良さを語って終了。

うーん、『お厚いのがお好き?』も終わったし、これも終わったし、で、あららー、ですね。





TBS 『太宰治物語』
昨晩放送がありました。

なんだかんだと言って、見ました。ビデオまで録ってしまった(笑)。

太宰ホリックな僕は、きっと好きになれないな、などと先入観たっぷりに見たけれど、これが結構良かった。想像よりもいい出来。

ただ、井伏鱒二はもっと似てる人がやってほしかったなぁ。ちょっとイメージと違う。

僕は、新潮文庫で全冊太宰を読んでいるから、頭の中で補ったり、ああ、とかできるけど、予備知識なく見た人には、果たして伝わるんだろうか?という疑問は残ります。

わりと、面白かったけど、でも、「いいや、こんなんじゃない」みたいな気持ちもあって、なんか、今、この文を書きながら思い出すと、やっぱり内面的なものを描ききれていないような気がしてきた。まぁ、でも2時間弱のドラマでそこまでするのは難しい話なのは当然で、あれはあれで、今まで文学と距離があった人たちが、本や近代日本文学に興味を持つきっかけになればいいのではないかな。

僕の中の太宰のイメージは、「道化」。
ドラマの中では、「文の中に真実がない」みたいなことを、言ったりもしていたけれど、そうじゃないと思う。
「真実を伝えるための嘘(ピカソの言葉)」というのは、芸術において非常に重要で、なんというか、太宰の作品は、真実や自分の気持ちを伝えるために、「嘘のコラージュ」をしているという印象がある。もちろん、素直に事実書いたりもしているものありますよ。確かに、一文一文は道化を演じているかもしれないけれど、通して読んだ時に、全体として太宰の気持ちみたいなものが匂ってくる、そんな人。
そうは言っても、バシバシとストレートに書いてるところとか、直接訴えかけてくるとことか、そういうのもたくさんあるけれどね。
魅力的な作家。うん。

微妙に触れた芸術論や、それともっと太宰のことなどは、いずれ新しくエントリーを組んで、語りだすかもしれないです。