空腹を覚えたので、近くのコンビニへおでんを買いに行く。今は70円セール中なので、終わる前に買おうと思っていた。
外に出る。星がよく見える。
星空の見え方に冬を感じた。星座の見え方のことではない。空の吸い込まれそうな漆黒、そこにある妙に際立って見える星。乾燥しているせいか、澄んで遠くに感じる、あの空のことである。
星は常に出ている。昼だって空に出ている。ただ、昼の明るさが、その姿を我々に確認させない。
高校時代の政経の先生は、若い頃視力が3.5あったので、昼でも草むらに寝っ転がって、星を数えられたらしい。
「星に何ができる?ただ空を巡っているだけだ!」と、チャップリンの『ライムライト』には出てくるのを思い出した。
でも、僕には、昼の明るさよりも、この星の明るさの方が、眩しく感じられる。
コンビニに、おでんは1つもなかった。こんな些細なことですら、僕に風は吹かない。