アーティスト 加藤雄太 のブログ
展覧会のレヴュー、本の感想、その他制作の日々の模様など。
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『大回顧展モネ』
展覧会『大回顧展モネ』

すごく出遅れた感がありますが、初国立新美術館。
そう、モネ展です。

クロード・モネ(Claude Monet)[1940-1926]と言えば、言わずと知れたフランスの画家ですね。日本人の最も好きな画家なんではないでしょうか?
モネと言えば印象派ですが、印象派については以前「UTによる印象派講座」で書きました。印象派がイマイチなんなのか良くわからない方は、目を通していただくと、わかるかもしれません。
…ということで、印象派のことはすでに以前解説したので省いて、その印象派の最も代表的な画家であろうモネの作品が90点以上来ているのだから、それはそれは混みますよね(苦笑)。
モネはキャンバスを屋外に持ち出す、移ろいゆく光を捉える、ということを実践して例の筆触分割の技法により保守派層から散々馬鹿にされたわけですが、それでも巨匠へと上りつめました。自宅のジヴェルニーに日本風の庭を作ったことは有名でしょう。睡蓮もそこで描かれたわけです。
が、そんなモネも、晩年は白内障によりどんどん視力を失い、最後はほとんど失明に近い状態になりました。それでも絵筆は握り続けたわけですが、この辺のことは展覧会の感想と絡めて書きます。

展覧会自体は混んでいて、ゆっくりとまともに観ることはできなかったので、離れて鑑賞しました。
来ている作品自体は良い作品がたくさんあるので、楽しめると思います。
が、問題は人で(苦笑)、皆さん絵のそばで食い入るように鑑賞なさっている。…まぁ、これがレンブラントとかなら良いんですが、モネの絵はそんな風にしても本当の鑑賞をしているとは気の毒ながら言えません。
上にもリンクを張った印象派講座で書きましたが、筆触分割による網膜混合で光を表現しているわけです。絵に近づいてみたところで、あるのはごてごてした荒々しいタッチ。例えば、テレビをや映画をしっかりみたいからといって、画面に目を接近させて、モニターのドットを見ますか?見ませんね。それといっしょで、ここの絵は、ある程度の距離を置いて網膜上で色を混色させることで、初めて生きます。「絵画的」に混色されていないので彩度の高い色(絵具)が並んでいて、それを視覚が混色するわけなので、最も鮮やかな光の表現を見ることができるわけです。この時、不思議と色の問題だけではなく、フォルムも非常に細密に見えるからすごいっ!

観てて思ったのは、光の表現もうまいのだけれど、僕は影の表現のうまさに今回は目が行った。これによって、より明るい部分が引き立っているということもあるのだろう。
なんというか、柔らかい影。光と影が、表裏一体だな、という気がしてくるような影。影の中に五彩を見る、というか、豊かな影なのです。


んー、あまり考え込まずに、綺麗だな、と楽しめば良いと思います。

…が、最後の方は、非常に荒々しいタッチで、色もドカドカと塗ってあって、網膜混合もあっちゃもんじゃない、という絵になります。色面も大きくなるし、順を追ってみて行くと、「あぁ、このおじさんついに壊れたのか…」と思ってしまうかもしれないような。
が、それは、先にも述べた通り、白内障による視力低下が関わってきます。
どんどん見えなくなり、失明寸前まで行ったモネ。
そんな中でも描くことを続けたわけですが、その絵にあるのは…
私は生きているんだ!
という、叫び、喜び、です。
確かめるように、証明するように。描くわけです。
ぐちゃぐちゃの画面と思うかもしれないですが、ここにあるタッチは、それまでの美しい絵を描くための計算されたタッチより深く、その一筆一筆は重い、と僕は感じました。


混んでなければね、と言いたいけれど、しょうがないんだからしようがない。
というか、会場でふとゾラの『制作』の中のサロンの風景を思い出して、「まだましか」とか思ってしまった(笑)。


それはそうと、モネ以外にも、若干モネから影響を受けた画家たちの作品もてんじされているんだけれど、
……またしてもロスコと遭遇っ!!現代美術館に続けてラッキー♪
ことごとく周りのお客は誰も相手にせず「はぁ?なにこれ?」みたいな感じでしたが…。



--ゆきリンさんの記事にTB--


[メモ]
大回顧展モネ 印象派の巨匠、その遺産
国立新美術館 (六本木)
7月2日まで
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COMMENT: 行かれたのですね〜
>影の中に五彩を見る、というか、豊かな影なのです。
>それまでの美しい絵を描くための計算されたタッチより深く、その一筆一筆は重い、と僕は感じました。
などなど、さっすが〜〜UTさん♪と感動しながら読ませていただきました♪^^

モネから影響を受けた画家たち、好きな画家さんの絵と遭遇できて
良かったですね。
わたしはリ ウーファンが気になりました。(*^^)v
momo♪ | 2007/05/17 23:18
COMMENT: ◆momo♪さん
照れ照れ。うふふん、嬉しいです♪
ありがとうございます。

リー・ウーファンは《風から》だったですかね。
あれだけ大量にモネがあると、見応えがありますよね。
これからもどんどん観て行きましょー♪
UT | 2007/05/21 00:47
COMMENT: TBありがとうございました!
作品をゆっくり観れたら、うれしいんですけどね...
有名な企画展はしかたないのでしょうか。

今後、展覧会の記事を参考にさせていただきます♪
ゆきリン | 2007/06/14 13:50
COMMENT: ◆ゆきリンさん
こんにちは。こちらこそTBしていただいてありがとうございます♪
本当、あれで空いてたら最高ですよね。でも混んでいたけれど、それなりに鑑賞できて良かったです。
僕は1番混むお昼時に行ってしまったので、尚更混んでいた感じですが、時間帯によってはもうちょい空いているみたいですよ。

こちらこそよろしくお願いします。
UT | 2007/06/14 14:41
COMMENT









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国立新美術館に、モネ大回顧展を観に行ってきました。 公式HP 会期の前半に行きたかったのですが... 遅くなってしまったため、やっぱり混んでました(>_<) 久々に厳しい環境でした。 でも、これだけの数のモネの作品を観れるのは、ホント贅沢! 世界中の美術館から集
モネ大回顧展 | 大塚1K生活 | 2007/06/14 13:42