歌川広重(初代:1797-1858)は浮世絵師。
《東海道五十三次》で有名だと思います。
日本の浮世絵といえば、フランスの画家たちに影響を与えたのはよく知られた話ですね。そもそも日本では、たいして価値のあるものではありませんでした。というか、ヨーロッパへの輸出用品の包み紙だったのです。今でいう、チラシでしょうか。それを、向こうの人たちが、輸出品の中身より、梱包していた浮世絵に興味を持ったわけで、広がっていったのです。
そうして、ゴッホやゴーギャンなどに強い影響を与えたのは周知の通り。例えば、画面をナナメに突っ切る木などの構図。画面ふちで人物が断ち切られていたり。雨を線で表現する、ということもヨーロッパにはないことでした。
そんな浮世絵で有名な広重の《名所江戸百景》が、偶然
金刀比羅宮展の隣でやっていたので、ついでに観たわけです。
《名所江戸百景》は初代広重が118点、2代目が目録を含む2点を制作、計120点。
その全てが、順番に展示されている。
ヨーロッパで衝撃を与えた、と書きましたが、今観てもやっぱり面白い。
なんとユーモラスな構図。
人物の入れ方など、大胆で。
視線がいいです。のほほんと楽しみたい。
さらりと観ました。
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栗坊さんの記事にTB--
[メモ]
芸大コレクション展 歌川広重《名所江戸百景》のすべて@
東京藝術大学大学美術館 (上野)
9月9日まで
帰りに国立博物館へ行ったら、何枚か同じ絵が展示されてましたが、国立博物館にある方が色が美しかったですねえ。まあ、120枚一度に見られたのは、感激でしたが。
きっと、こっちも時間をかけて観られるのだろうな・・・、などと美術館の中で考えていました(笑)。
馬のトリミングの仕方とか、ひたすら大胆なセンスで面白かった。
やはりあれだけ並ぶと、観てて気持ちがいいですよね。