アーティスト 加藤雄太 のブログ
展覧会のレヴュー、本の感想、その他制作の日々の模様など。
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『ゴッホ展』
 先週の水曜(6日)に行ってきました。ゴッホ展。
展覧会『ゴッホ展』

 国立新美術館にて。行く時期が遅くなれば遅くなる程、絶対に混むだろうから、即行ってきたわけです。

 フィンセント・ファン・ゴッホ(Vincent van Gogh)[1853-1890]は、オランダ出身の画家。画家としてはフランスで過ごす。美術史上は、今までは印象派、あるいはポスト印象派に分類されることが多かったが、象徴主義に分類するのが現在の主流となっている。
 牧師の家に生まれ、美術商に勤めるが辞め、自らも説教をしたり布教活動をしたりしていたのだが、炭坑で異常な程な熱心に布教活動を行った為、皆が気持ち悪がり、伝道師を辞めさせられた。
 その後、画家になる決意をしたのは、27歳の時、死んだのが37歳なので、画家としてのキャリアは10年しかない。しかし、その10年で残した作品は約2000点。2日で1作くらいの驚異的なペースで制作していたことになる。有名な話だが、生涯で売れた作品は1作しかなく、それも弟のテオの奥さんが買ったものだ。死後に名声を得た最も代表的な画家である。
 フランスのアルルの「黄色い家」での、ゴーギャンとの共同生活は有名な話。
 最終的には、オーヴェル=シュル=オワーズの地で、自ら銃弾を腹部に放ち、数日苦しんだ後、息を引き取った。
 ゴッホと言えば、まだまだその人物や人生について語ることは多いが、切りがないのでこのへんで。

 数年前にも、大規模なゴッホ展があったと思うが、久しぶりのゴッホ展である。
 今回は、ゴッホの作品と、その他ゴッホと関係のある画家の作品、あわせて123点で構成。
 また、アルルの黄色い家の「ゴッホの部屋」を、絵から寸法を割り出し、実物大で再現したという試みもあった。これはこれで、想像以上の狭さにビックリし、もしあれが正確ならば、ゴッホの絵画への昇華の仕方の片鱗が伺えて良かったと思う。

 さて、作品の方は、時系列順に並び、ゴッホの生涯にわたる作品の変遷を追えて非常に良かった。
 特に今回は「模写」に焦点が当てられていたように感じる。つまり、ゴッホはほぼ独学の画家な訳だが、その勉強の姿勢や方法が強く出ている展示であった。
 特に、鉛筆でのデッサン。ゴッホが手本にした原画と、そのデッサン模写が並べて展示してある。こういったのが多数あり、結構面白く鑑賞した。すごくひたむきだったのだ。

 このことでも、よく分かるのだが、ゴッホが如何に自分を見つめることが出来て、知性の人であったか!!
 よく世間では「狂人」とか「炎の人」と言われて、狂っているゴッホが強調されがちである。だが、作品を見ていくと、あるいは生涯で非常に多く残した手紙を読んでいると、全く違う面が見えてくる。
 自分には確かに狂気がある。でも、そんな自分を、私(=ゴッホ)は静かに見つめている。そういうゴッホがあまりにも軽視されているのが悲しい。
 どう考えても、ただの狂気だけでは、ああいう絵は描けないよ。あんな風に文章は綴れないよ。
 激しい内面を持ちながらも、冷静に客観的にそれを見つめる精神。それがゴッホの芸術を魅力的にしたのだと思う。

 そのことは、模写だけではなく、生涯の作品を辿れば、自ずとわかるだろう。

 時系列順に作品が並んでいるので、最初から最後まで一通り観た後で、最初に戻ると、その変化の凄まじさに驚いた。
 初期の、暗い色彩から、晩年の激しい色彩への変遷。その過程を見ていけるのも面白いし、良い機会だ。
 何を思い、このように絵が変化していったのか、思いを馳せながら眺めるとき、僕らは時間を超える。

 いつかこのBlogで言ったことがあったかわからないが、僕は近年、すごくゴッホが好きになってきていて、作品がすごいと思うようになった。たまらなく魅力的なのだ。何かが、あるんだよね。
 この人の、絵画への、芸術への思いは、半端じゃない。
 その絵に込められたものも、圧倒的な強さを持って、作品の前に立つ者に迫ってくる。


 会場は、僕が行った頃はまだ始まったばかりだったのに、やはり混んでいた。並んで待つ、とかそういうのは全くないが、とりあえず空いてはいなかった。
 でも、大した混雑ではなく、全ての作品を充分じっくりと鑑賞できる程度だったので、やはりあの時行っておいて良かったと思います。
 今後どんどん混むだろうから、早めに行くことをおすすめします。


【参考:過去のゴッホについての記事】



[メモ]
国立新美術館 (六本木)
12月20日まで
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