アーティスト 加藤雄太 のブログ
展覧会のレヴュー、本の感想、その他制作の日々の模様など。
ホームページは yutakato.com 作品掲載してます。

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●7月の掲示板として●
湿った空気の一粒一粒に皮膚の感覚を研ぎすます
解かれた全身から遠い宇宙を感じる
イメージは確信に変わる

陽を見るために月を見る
溶け合った光




夏眠暁をおぼえず、ということで、出遅れ気味の掲示板。
今月もよろしくです。


[画像]
《記憶の予感》
2006/04/22
45.5×53.0cm
《A View Through Memories》
Powdered mineral pigments and acrylic on hemp paper
by UT
※画像の無断転載・転用は禁止です





『ロビン・ロード』展
ちょっと面白い現代アート。
ロビン・ロードは南アフリカ出身ベルリン在住のアーティスト。
彼の使う道具はチョークです。

観てもらえば早いのだけれど、なんとか説明頑張ると…

壁や地面にチョークで絵を描く。それと一緒に人物(主にロード自身)や何かしらのアイテムを一緒に撮影し、それを連続する写真として複数枚並べて展示したり、あるいはだいたい2秒1コマくらいのアニメーションのようにしてビデオ上映する、というもの。
つまり、チョークで絵を描いてそれに見合ったポーズをして撮影、そしたら、チョークの絵を描き足したり、消して位置を動かしたりして、またそれに見合ったポーズをして撮影、というのを繰り返し、1つのストーリーにするわけである。

地面に自転車を描いて、実際の子供がハンドルに掴まり振り回されていて、バックからは本などがどんどん後方へ飛んでいく。
あるいは、壁に車を描いて、その絵を動かしながらロード自身がタイヤ交換をしたり整備したりする。
また、ロードが種をまく振りをして、壁に種や生えてくる植物を描き、ロードが実物のじょうろで壁に水をまき、壁の植物は生長して、それをロードが刈り取る動作をして、壁に描かれた植物を刈り取ったり、それに柵をつける動作をして柵を描き、その前でロードが眠って番をする、
など。

作品については、ここを見てもらうとちょっとは伝わるかも…

いわゆるチョークでの落書き、をアートにしている。
その絵と三次元の人間が組合わさる。
絵は停止しているが人間は動く。
動くんだけど、わざわざコマ撮りして、静止画の連続として見せている。
時間性はあるのだけれど、1枚1枚は極めて停止している。

壁と地面とチョークという極めて安価な素材によるアート。
またこういった行いは、子供の頃の「お絵描き」の出発点かもしれない。遊びだった頃。
しかし、この手法を使う事によって、ちょっと異空間的な演出や、現実には極めて困難な動きを表現する事も可能となる。

身体性のない絵画に、身体を取り入れること。何の変哲もない場所を、自分の空間にできる事。

日本でこそ、何を勘違いしたかニューヨークカッコいいじゃんみたいなバカなただのいたずらというか、どうしようもないグラフィティ(壁の落書き)だけれど、もともとは、南米から奴隷として連れてこられた黒人達のバックグラウンドがあって、言ってみれば必然的に生まれたという理由がある、つまり人種、教育、貧富などが絡んでの背景のあるグラフィティ(この事に限らず、音楽や映画も然りですが略)。
それをこうしてアートとして提示している。

色々と考えたり興味のある展覧会だった。

(看板などがなかったので、写真はありません。)



[メモ]
ロビン・ロード展
資生堂ギャラリー (銀座)
7月30日まで




『若冲と江戸絵画展』
伊藤若冲をメインとした、江戸時代の日本画の展覧会。

伊藤若冲っていうのは、今でこそ高い人気ですが、近年まで表舞台から忘れられていた画家。辻惟雄さんが『奇想の系譜』で、岩佐又兵衛などとともに“奇想の画家”として評価したことなどで、一気に知られるようになった、んだと思う。
あまりに個性的な画風は、当時もあまり相手にされていなかったようで、評価は高くなかったようである。

今回の展覧会は「プライスコレクション」ということで、そんな若冲の作品を、画家の名前にとらわれず独自の感覚で収集したプライス氏の所蔵品から構成されている。そのため、若冲の作品をまとめてみる機会です。
若冲以外にも、曾我蕭白や長沢蘆雪や鈴木基一、酒井抱一、河鍋暁斎など、有名どころの作品が展示されている。

全体として、見応えのある展覧会だった。
ハッとする色遣いなどに出会えた。
なんというか、特に若冲の水墨などだけど、日本絵画の持つ大胆なフォルムの省略や強調、これが何ととも面白いと思った。墨でピピピッと描いた中にも、リズムや躍動感がある。面白い刺激を受ける。
このフォルムなどもそうだし、他の画題に関してもそうだけれど、日本人の独特の美的感覚や美意識に触れる、そんな場ともなっているだろう。色彩の選び方、モチーフの選び方、構図、等々…。
独自の装飾性と簡略化による抽出と表現。

最後の部屋は、暗くしてあって絵に当たる照明がゆっくり様々に変化する、という演出だった。照明の色が変わったり、当たる角度が変わったり、照度が変わったり、これによって見える絵の変化を楽しむ、ということらしく、これはこれで僕は面白く思った。

観て損はないと思う展覧会です。



--あっさんの「拾遺集/pick 'n' pin up」にTB--
(2006/10/31)



[メモ]
プライスコレクション 「若冲と江戸絵画」展
東京国立博物館・平成館 (上野)
8月27日まで





31
2ヶ月ぶりくらいに大学のアトリエへ…。

確かに今4年生のはずなのだけれど、このアウェイ感は何だろう…(苦笑)。

まぁ、いいのです。
敬愛するレジー・ミラーも言っている。
「アウェイでブーイングを浴びるのが喜びだ」と。
そう、彼はアウェイでブーイングを浴びれば浴びるほど力を増すのです。



しかし、今日は暑い。冷房無しで頑張れている僕は、このまま冷房使わずに夏を乗り切れるかも…。
え?明日はもっと暑い?
ご冗談でしょう、ファインマンさん…。




ベガ…ルタ…

ベッベッベガルタ、ベッベベッベベ (作詞作曲 UT)

ベガ(織姫星)とアルタイル(夏彦星)を合わせて、「ベガルタ仙台」。ブランメルじゃなくて良かった、と思う(笑)。
サッカー全然チェックとかしていないけれども…
今何位なんだろう?

てのも、今日は七夕。
仙台七夕は1ヶ月後ですが、去年の画像を→