アーティスト 加藤雄太 のブログ
展覧会のレヴュー、本の感想、その他制作の日々の模様など。
ホームページは yutakato.com 作品掲載してます。

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◆12月の掲示板的な◆
寒し寒しっ…
今年も最後の月かぁ。
早かったのか遅かったのかよくわからないけれど、今年1年を振り返って、なんて時期でしょうか。
とは言っても、まだ今年は残っている。ので、良くて濃いものにしたいですね。


さて…いよいよ、いよいよ、いよいよっ、
今月ですっ!個展!!コテン!!
◇◆◇僕の個展情報◇◆◇
2006年12月11日(月)から16日(土)
11:00から19:00(最終日17:00)
@ギャラリー山口(1階)
[ギャラリーのホームページ その1]
[ギャラリーのホームページ その2]



なお、プレスリリースが[その2]の方のリンクから読めます。僕が今回の個展・作品についてコメントしています。よろしかったら読んでみてください。
(というかこのページです)

個展中の僕がいつギャラリーに居るか具合ですが、前は初日と最終日くらいにしようと思っていたんだけれど、考えが変わって、全日居ようと思います。
どうぞ気軽に声をかけてくださいね♪




さて、寒い(笑)。それもそのはず。だって、まだ半地下は暖房入れてない…。耐えてるよ…。流石にそろそろ(苦笑)。


[画像(1番上の)]
《記憶の予感》
2006/10/06
岩絵具、アクリル絵具、板に寒冷紗
45.5×60.6cm
《Expectation of Memories》
powdered mineral pigments and acrylic on cheesecloth mounted on wood
by UT
※画像の無断転載・転用は禁止です





『ヘッセ詩集』
ヘッセ詩集
著:へルマン・ヘッセ 訳:高橋健二 (新潮文庫) 420円
------------------------------------------------

9月8日以来の本の記事(苦笑)。
ヘッセです。
今までのヘッセの記事は・・・
・『郷愁(ペーター・カーメンチント)
・『クヌルプ
・『荒野のおおかみ
・『シッダールタ
・『メルヒェン
・『青春は美わし
・『幸福論
・『ヘルマン・ヘッセ展』(展覧会)


ヘルマン・ヘッセ(Hermann Hesse)[1877-1962]について、中表紙の著者紹介から引用すると、
ドイツの抒情詩人・小説家。南独カルプの牧師の家庭に生れ、神学校に進むが、「詩人になるか、でなければ、何にもなりたくない」と脱走、職を転々の後、書店員となり、1904年の『郷愁』の成功で作家生活に入る。両大戦時には、非戦論者として苦境に立ったが、スイス国籍を得、在住、人間の精神の幸福を問う作品を著し続けた。’46年ノーベル文学賞受賞。


この本で、新潮文庫で現在普通に売られているヘッセに関しては最後。
ということで、今までヘッセかなり読んできましたが、最後に詩集。
最初に結論から言うと、僕にとってですが、ヘッセは詩人ではなく小説家である。この本を読んでそう思った。

やっぱね、ヘッセは小説の方がいいよ。

なんていうか、この詩集はすっごいヘッセ完結というか、なんというか。
思ったのだけれど、詩って共有って言うか共感みたいなものを読み手に対してあまり求めない。というか、そうしちゃうのはあんま良いことじゃないよね。作者の世界とか感動を言葉に乗せて調べとして紡ぐもの。あまり読み手を意識しないというか。感情や感覚とか刹那な感じとかが許される。ついて来れる人はついてきて、みたいな。
それに対して小説は、もちろん作者の世界なのだけど、でもどちらかというと読み手を意識するもので、共感を求める。伝えようとする意識が強い。

だから、そういった点において、ヘッセに僕はあまりシンクロしなかったのかな。いや、シンクロ云々っていうより、単純にあまり良いと思えなかった。となると、全体として僕に対しては外した感じになるのは当然で。
「おいおい」みたいな。ん〜〜、ってなっちゃたのです。

ヘッセに心酔して感覚が先入観みたいな感じになっていると、いいねぇ、とか言ってしまうのかもしれないけれど、ちょっとそうは思えなかったな、と。

あ、ただ、これは翻訳にも問題があるのかもしれない。いや、ヘッセ訳は高橋健二氏で間違いないし、彼の訳の作品が大好きだけれど、この本に関してはいただけなかった。
まぁ、当方はドイツ語かじっただけなんで、原書読む力ないし、果たしてこれがどうなのかの判断にあまりとやかく言えませんが。

前にも何度か言ったと思うけれど、ヘッセは小説自体が詩的で、作品が詩のようだったりする。
あと、作中に挿入される詩は良かったりするんだよ。

ただ、彼の詩集として今回のは、こんなに大量に読んでもなぁ、内容もなぁ、と。
あ、でも、中にはいくつもいいのありましたよ。うんうん。全部が全部ってことじゃないです。

だから、僕としては、やっぱ作家だな、と。
いくつかの小説作品が良すぎるっていうのもあるかもしれないけれど♪

これから他の作品を読むのが楽しみです♪





半地下テレビ事情
テレビを見ない生活になって結構な時が経ってきました。
1ヶ月…?以上?
自分でもわかんない(苦笑)。

正確に言うと、テレビ番組を見ないというよりも、
テレビという物体自体を見ない(見れない)。

だって……


………


この向こうだから(笑)。



そう言えば、昨日の記事で触れた展覧会は、今もう美術館が休館なのね……。そりゃそうだよね。
ということで、行くのは年明けです。

あー、本のエントリーも全然書いてないなぁ。
書きますよー。書きますよー。
積ん読増えてますよー(笑)。





ふぅ…
個展が終わって、その後の色々に追われています。
終わった後も大変だったり(苦笑)。

あ、お礼状大量製作中です!
芳名帳に連絡先を書いてくれた方にはまもなく送るので、待っててくださいね♪


なんとか部屋に散乱したものも片付けて、ちょっと落ち着いてきた感じ。
新作というか、卒制もあるので、描いていかねばです。

そういえば、秘かに素晴らしい(と勝手に決め込んでいる)展覧会がやっているではっ!!
これは行きたいっ!行きたいっ!!
んー、でももうすぐ仙台へ帰っちゃうし、年明けかな…、いや、行くぞ、年内に。
何の展覧会かはナイショ(笑)。観てきたらレポートを書きます。

書くといえば、キュビスム講座で力尽きて、まだ象徴主義講座書いてないですね…。すいません。待ってくださいー。




個展終了!
土曜日に無事個展を終了しました。
本当は昨日(日曜)に記事を書くつもりでしたが、なんせ今夜まで20時間弱眠ってしまって(爆)。
会期中は毎日飲みだったので。毎日3時間睡眠で。

正確な人数は分かりませんが、最終的に500人近い方にご来場いただきました。本当にありがとうございます。

中には多くの作家、評論家、学芸員、美術雑誌関係者、新聞社、画廊の方、その他美術関係者の方などなど、とりあえず観てもらえただけでも意味があるものになったと思います。

遠方からも…、IZUBIを観てはるばる伊豆から来てくれた方、他にも、三重や京都からも…。感謝感謝としか言いようがありません。

作品も3作売れました。

初個展で、しかもまだ学部生で、相当な成果だと思います。
ありがとうございます。



友人もありがとう。仙台などからはるばる…。大感謝!

そして、Doblogの皆さん、月に1度画像をモニター上で観ていただいているだけなのに来ていただけて、本当に感謝しています。タイミングによっては混んでいたりして充分お話しできずに申し訳ないです。
絵画に関して、実作を見るということの意味が分かっていただけたのではないでしょうか。
マチエール(絵肌)・色味・スケール感(大きさ)、これらは実作を見ない限りどうしようもないですね。見ていただけて本当に良かったと思います。


僕が把握し得た限りでリンクさせていただきます。



yuji-nishijimaさん
momo♪さん
栗坊さん
Travel@Cafeさん
しかおるさん
asさん
kohei9さん
恵風さん
鏡 響子さん

本当にありがとうございました。


今後もなるだけ多く発表できるよう頑張ります。実際、今後も色々と活動が繋がるかもしれない、といった感じのお話をいくつかいただきました。
その時は発表します。



コクトーは言っています。
「画家は何を描いても、結局は自画像になる」
同じことの繰り返しはつまらないし、見ている人も退屈でしょう。とは言っても、やはり僕は自分の中から出てくるものに正直にしか描けません。今はこの”家のある風景”がそれです。
ただし、もうすでに新たなイメージは見えています。描けそうです。今までの作品からさらに発展させて新たなものを見せられればな、と思います。

どうぞ、これからもよろしくですっ!





2日間を
個展2日間が過ぎました。
取り急ぎ近況を。

初日は100人くらいの人が来てくれて、大変嬉しく思っています。
準備から展示、そして会期中のこと、全てが初めてで新鮮で、とても勉強になっていますし、得るところが多いです。やってよかったと早くも思っています。

会期中、僕はずっといるので是非ご来場下さい。
髪が長く鬱陶しい、ふらふらしているのが僕です(笑)。



1つだけお願いなのですが、会場に今までの受賞公募展や日韓交流展の図録が置いてあります。ご自由にご覧下さい。ただ、これは無料配布物ではないです。持ち出さないでくださいね。
というのも、今日(火曜日)、片方なくなったので(苦笑)。いや、持って帰りたいような興味を示してもらえたということだと思うのでとても嬉しいのですが、手持ちに限りがあるので。よろしくお願いします。
あ、DMが沢山積んでありますが、これはご自由にお持ち帰り下さい。むしろどしどしどうぞ♪

すでに、Doblogの方が数名来てくださいました。会期終了しましたら、お礼を記事で書かせていただきます。
あと、コメントもありがとうございます。レスは少しだけ待ってください、すいません。
あ、コメントは嬉しいのでどしどし下さい♪

それでは、残りまだ半分以上あるので、楽しみにしています。





個展スタート
まだ先、まだ先、……なんて思いながらいたけれど、ついに今日初日を迎えました。
あぁ、なんか、なんだろう…。
「いつか」は来るものなのですね。

初めての個展ということで、大きな意味を持つだろうと思います。

やることはやって、準備して来たつもりです。
あとは、まぁ観てください。
万人に受ける、なんて幻想は求めません。それでも、来た何人かにでも何かしら伝われば、嬉しいと思います。

まだ残り少しのライティングと、ドローイングの展示、他にちょっと準備が残っています。
早めに行って準備をしようと思います。
ドローイングは会期中もたぶん増え続けると思います。ギャラリーでライヴで描いているかもしれません。


それでは会場で。

…緊張。




搬入終了!
昨日、17時過ぎから、ギャラリーへ搬入と展示作業をしてきました。
いや、昨日報告記事を書くつもりだったんだけれど、22時くらいまで作業して、今日はなんだか爆睡していたので、今こうして書いているわけです。超大変だった。想像以上。不慣れ過ぎました。
そして、まだ若干のライティングが残っています。あと、ドローイングの展示が。
あと、価格決めです。難しい…(笑)。プライドよりも安さ優先させるつもりです(笑)。


えーと、僕自身、ああして僕の絵を大量に観るのは初めてだったし、四方を囲まれるというのも初の体験です。
いい展示になっていると思います。おもしろいよー。

作品は、全16点。他に、ドローイングを複数展示します。

会場には芳名帳があるので、是非ご記帳下さい。お礼状を出させていただきます。
ファイル等も置いてあるので自由にご覧下さい。




『木村大 ギター リサイタル「ザ・ブリティッシュ」』
さぁ、先程の『エコール』が良かったんですが、本来のメインはその後。
また行ってしまいました。木村大のコンサート。
木村大(きむらだい)[1982-]はクラシックギタリスト。僕が1番押す日本人クラシックギタリスト。是非、注目してもらいたい。5歳から師匠でもある父親に師事。出場コンクールは全て優勝。14歳で東京国際ギターコンクールで優勝。
そして、2002年に名門のイギリス王立音楽院ギター科に留学。この時、ここのギター科は生徒が全部で7人。木村大が受験した年も世界中で受験が行われた。その中で、合格者はたった1人っ!それが、彼、木村大です。すごすぎる……。何たる狭き門。その後、2年間在学し、帰国。

今回は、前回のツアー以来の、大きなツアーかな。
イギリスへ留学したのに帰国後出したCDが「California Breeze(カリフォルニアの風)」でした。
しかし、今回「ロンドン・エッセイ」というNewアルバムが出て、今回のコンサートは、第1部がこの「ロンドン・エッセイ」をメインにイギリス音楽を、第2部はアンドリュー・ヨークの作品をメインに、という感じ。

さすがに、最前列アゲインというミラクルは起こらなかったけれど、充分な距離で、満足。
というか、やっぱ良い。もう単純にすごいし魅了されます。

彼は1982年生まれということで、僕より1つ上なんだけど、そういうあたりも今後も見続けて行こう、と思うところ。
そして、燃えるところ(笑)。だって、同世代でしょ?やっぱこんだけ活躍されると、燃えるわけです。ジャンルは違えど勝手にライバル視。
すごい親しみが持てるんですよ。

いやぁ、素晴らしかった。
個展前の忙しいときに、いいリフレッシュになりました。
エコール』も観たし、展覧会巡りとはまた違った濃い1日。





『エコール』
エコール
(ベルギー/フランス 2004年 121分)
監督:ルシール・アザリロヴィック
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ええと、木曜は木村大というクラシック・ギタリストのコンサートに行ってきました。で、それは夜からだったんで、その前にせっかくだから気になっていた映画を観たのです。もうこのタイミングなんで、こういう時じゃないと観れないっ!

監督のルシール・アザリロヴィックは、『カルネ』『カノン』などの監督であるギャスパー・ノエの奥さん(のはず)です。


---大人に孵化する前の、純粋無垢(イノセント)な少女たちの世界へ、ようこそ---

『エコール』、良かったです。
久々に映画館で観たけれど、良かった。

森の中にある学校へ、毎年棺桶のようなものに入って新入生が運ばれてくるんだけれど、その学校は森の中に隔離されていて、そこの生徒である少女たちは外界との接触が一切遮断されている。生徒は全て女の子で、5つの寮にそれぞれ1年生から6年生まで6人だけ。とっても少ない。
森の中の隔離されたこの学校の敷地だけを舞台に、物語は進みます。

ストーリーはいたって分かりやすく、すんなりと物語の進行についていける。
のに、強烈にミステリアス!マジカル!
とてもわかりやすいのに、ものすごく謎を残す物語、と言えばいいだろうか。

そして、映像はどこまでもこの不思議な雰囲気を支えていて、非常にいい味がある。色遣いもなんだけど、セットやオブジェもとても良い。

まるで、ちょっと変わったアリスの世界を覗いているようだ。それぐらい不思議な映画である。
アーティスティックという文脈は共通だけれど、ちょっと異質で、もっとこの現実と非現実の中間のちょうど境界のところのような、そんな印象。
そして、エロティックな描写に溢れ、それも見事にハマっている。

これだけ分かりやすいのに、ストーリーを1から10まで描き切らず、観客の想像力にゆだねるあたりが、とても素敵だ。
覗き穴から不思議な世界を覗いても、全ては見渡せない、そんな感じだろうか。
観終わった後のイマジネーションの興奮と、浮遊感・陶酔感は、この作品ならではのものだろう。

これはおススメです。


---asさんの記事にTB---(2008/07/02)