アーティスト 加藤雄太 のブログ
展覧会のレヴュー、本の感想、その他制作の日々の模様など。
ホームページは yutakato.com 作品掲載してます。

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◆6月の掲示板的な◆
作品 200706

最近は、5時6時には自然と起きるという大革命が起こったUTです。

色々と整って、制作もごんごんと始まりました。
今まで蓄積吸収した様々なものがイマジネーションのもとヴィジョンとなり溢れていて、表現したいものが沢山あって沢山あって。
大変(笑)。

この前まで暑かったけれど、最近は若干和らぎ。
僕としては、電車や店内をガンガン冷やすのは即流刑!却下!有罪!
気温が高い日はそれが怖い……。


ということで、新作です。



[画像]
《記憶の予感》
2007/06/01
岩絵具、板に寒冷紗
53.0×72.7cm
《Expectation of Memories》
Powdered mineral pigments on cheesecloth mounted on wood
※画像の無断転載・転用は禁止です
必聴!!
Information!
N先生が、ついにラジオのレギュラーをスタートさせます!!
来月スタートです。
もちろん美術番組。

絵画の向こう側NHKラジオ第2放送「こころをよむ」の7月から9月枠。
つまり、ちゃんとテキストも発売されましたよー。(これです→)
まだ、放送が始まってすらいませんが、悪いわけがない!と、いうことで皆さん買いましょう!!バイナウ!!Buy Now!!
我が本屋にも面見せで置いてあります。
なかなか厚いテキストです。

『絵画の向こう側』
何とも魅力的なタイトル……

どうですか?
3ヶ月間、魅惑の絵画の世界へ…。


Amazonからはこちら

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NHKラジオ第2放送 こころをよむ (7月から9月)
絵画の向こう側
[放送]……日曜日 13:20から14:00
[再放送]…土曜日 19:40から20:20
昨日は夏至
本屋さん続いてます。
よりによって、雑誌置いてあるフロアで(苦笑)。まぁ、文芸書の新刊とかも置いてあるし、うちの店はかごに入れれば、店内の別なゾーンやフロアへ持ち回り自由なので、結果色んな本をレジするのですが。
日本の仏像』売れてますね。NHKの語学テキストもやたらと。江原啓之『人間の絆』とか、あと『鈍感力』ってやつもかなり。ダイエットや美容系のもすごい売れます。

開店前の本屋は大変です。てか、雑誌が。
みなさん、これからは気合いを入れて本屋へ行きましょう(笑)。


料理はだいぶ慣れてきたかな。
パスタの頻度が多いですが。ちゅるちゅる。
とろーり卵のオムライスも習得。


描きたいし、読みたいし、知りたいし、あーー!欲求がすごい。悶えます。




今日は午前中、再び国立新美術館のモネ展へ。
いや、My father が観たいとのことで、エスコートしてきたのです。

で、ミュージアム・ショップでこれをゲット↓
ゲド戦記 ゲドを読む
無料です。全部内容いっしょ。映画観てませんが…(苦笑)。
※追記 レアだったみたいで。HPみたら、「たぶん、現物が5色揃っているところは、ほとんどの人が見られないことになります。」らしい…


それにしても、夏至ですか。どうりで最近暑い。
時は流れているんだなぁ、と。
実り多き、充実したものにしたい。
『アンリ・カルティエ=ブレッソン』展
昨日始まったばかりの展覧会。
2003年にフランスから始まった展覧会で、当時まだブレッソンは生きていました。この展覧会は作品のチョイスや構成など、ブレッソン本人が行った展覧会であり、大変充実したもの。2004年にベルリンへ展覧会が巡回中にブレッソンは逝き、昨日から日本への巡回展が始まったわけです。なお、日本では東京国立近代美術館のみで開催。
展覧会『アンリ・カルティエ=ブレッソン』

アンリ・カルティエ=ブレッソン(Henri Cartier-Bresson)[1908-2004]は、フランス出身の写真家。今まで何度も名前を出してきたと思います。
ロバート・キャパらとともに、フォト・ジャーナリズム集団「マグナム・フォト」を結成し、数々の歴史的現場、歴史的人物を撮影してきた写真家。20世紀を代表する写真家の1人に間違いなく数えられる人物。
「決定的瞬間」とは、現在では耳にすることもしばしばであるが、もともとはこのブレッソンの写真集「逃げ去るイメージ(Image à la sauvette)」の英語版(「The Decisive Moment」)のタイトルであり、日本で紹介するにあたり後者の英語版の訳が採用され、浸透していった。
晩年は、写真を撮ることから退き、絵画に没頭する。


さて、展覧会は………
大変良かった!!
自選による写真と、ヴィンテージ・プリント、ブレッソンの幼少期からの写真、そして……デッサンや油彩!と、盛りだくさんの約500点からなる見応えある展覧会。

ブレッソンといえば世界中を旅して回り、数々の国を写真に収めてきたけれど、それが改めてわかります。
そして、歴史的に重要な場面に居合わせる不思議。これだけ、様々な現場にいた人は他にいないのではないだろうか。ガンジーの死や、中国共産党が政権を握る瞬間、などなど。
そして、そういった歴史的事件じゃなくても、その先々でフィルムに焼き付けた日常の瞬間。
偉大なる才能だと思う。

ブレッソンは構図に非常にこだわった人だけれど、まさに”これしかない!”というもの凄い構図で光景が切り取られている。
普通だったら通り過ぎてしまうような所でも、ブレッソンにかかるとそれでは終わらない。
何気ない風景、日常の光景、そういったものから写真になる瞬間を見つけること。
研ぎすまされた目と感覚に、ただただ驚く。


ポートレートも有名だ。
20世紀に生きた数々の偉大な芸術家たちを写真に撮ってきた。
キャパにも言えることだけれど、これはブレッソンやキャパだからできたことで、普通だったらアトリエになど入れないようなアーティストたちのポートレートがたくさんある。
ボナールやマティス、ジャコメッティルオーにピカソ、カポーティにサルトル、……などなど。
ブレッソンの実力や信頼が為せる業だろう。そしてその親交の幅の広さはすごい。
レオノール・フィニのオールヌードは綺麗だった…ドキドキ…(笑)。


写真を観ていると、本当に日常の中の物語が綴られている。ブレッソンが観て感じたものだ。先入観や文明讃歌などない。ただただ、同じ高さの視線を感じる。
ブレッソンは旅をする時、それぞれの国に長期滞在する。あるいは、年数を置いて再び訪問する。何でもそれは、その国をその国と比較して理解するためらしい。
人々や文化へ向けられた眼差しを感じるエピソードだと思った。


前々から気になっていた絵画作品も結構出品されている。
裸婦のが良かった。ヌードだと気合いが入るのだろうか?(笑)
「写真は短刀での一突き。絵画は瞑想だ。」 とはブレッソンの言葉。


有名な、
「目と頭と心の照準線を1つにすること」
という言葉を感じられる展覧会。
観て損はないでしょう。あえて不満を言うならば、図録がへっぽこというくらい。
おすすめです。



過去のブレッソン絡みの記事は、
『アンリ・カルティエ=ブレッソン 瞬間の記憶』(映画)

「写真について」シリーズも2回で止まってますね…。いい機会だし、そろそろ新しく書こうかな、と思ったり。
第1回
第2回

ブレッソン Pen
ちなみに今売っている「pen」という雑誌は、ブレッソン特集ですよ。
書店員より情報です(笑)。



[メモ]
アンリ・カルティエ=ブレッソン 知られざる全貌
東京国立近代美術館 (千代田区)
8月12日まで
『レオナルド・ダ・ヴィンチ --天才の実像』展
展覧会『レオナルド・ダ・ヴィンチ 天才の実像』
昨夜つぶやいたように、ついに金曜の夜に行ってきました。
混んでいるだろう、と思い、腰が上がらずにずるずる今まで来てしまっていて、でも、今回観なけりゃフェレンツェまで行かなきゃ観れない!と思い、一念発起。
なにより自己改革中!Activeに行動するのですっ。


1974年に《モナ・リザ》が来た時は、モナ・リザ専用の輸送飛行機を作り、例え飛行機が海に墜落しても、モナ・リザだけは回収できるというすごい特別梱包装備だったようです。今回もきっとそれに近いものがあったのでしょう。
そして、今回来たのが《受胎告知》(ウフィツィ美術館蔵)。この作品がイタリア国内を出るのは、今回が史上初。
モナ・リザ展は3時間待ちだったと聞いたことがあったので、そこまでは行かないにしてもかなり並ぶんだろうなぁ…と思いつつ行き、30分待ちでした。でも金曜の夜間だったからマシな方かな。

レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci)[1452-1519]は、言わずと知れたイタリア・ルネサンスを代表する巨人。以前の「レスター手稿」公開のダ・ヴィンチ展で軽く紹介してあります。

さてさて、展示はと言えば、《受胎告知》とその他の資料、という内容で、もちろんメインは《受胎告知》です。
混雑で絵はほとんど観れないのかなぁ、などと言う不安をよそに、思ったよりもしっかりと観れて満足。いやほんと、ならんだ甲斐があった。
当然、ダ・ヴィンチの作品を観るのは今回が初めて。そもそも絵画作品自体も十数点と極めて少ない。
絵画は実作を観ないと…、とはしばしば言われることであるが、やはりそうで、特に今回驚いたのは、意外なまでのその小ささ。やはりスケール感だけは、どんなに印刷精度が上がろうと画集では把握できないな、と実感。

作品はもちろんよかったです。想像以上に細かい。
そのリアルさは、”写真のように”という意味ではなく、”精神的に”リアルである。
ものすごい真面目に真摯に制作されたのがわかる。
心理的な空気感をすごく感じ、面白かった。
画面の何処を取っても疎かにしていないのは流石である。


会期的にすべりこみだったけれど、行ってみた感想は、行って良かったとすごく思います。
ダ・ヴィンチはあまりに王道過ぎて、今までそんなに目を向けてなかったけれど、もっと色々みたいと思った。
本日最終日!!!



[メモ]
レオナルド・ダ・ヴィンチ --天才の実像
東京国立博物館 (上野)
6月17日まで
ダ・ヴィ……
展覧会『レオナルド・ダ・ヴィンチ 天才の実像』(暗いver)

上野のレオナルド・ダ・ヴィンチ展行ってきました。
金曜は20時までの延長開館なので、バイトが終わってから行って、閉館に滑り込んだ感じで……

疲れたし、今日も朝からアルバイトなので、レポは明日というか今日……

おやすみなさいませ…☆
『宮いつき 依田万実 二人展』
宮いつき[1956-]は、創画会所属の日本画家。
依田万実[1958-]は、日展所属の日本画家。

新宿高島屋の美術画廊で2人展が行われていて、DMを頂いていたので足を運んだ。

いやぁ……良かった!
なんか妙にハマってしまって、百貨店のワンスペースなのに、じぃーっと絵の前に長居。
というのも、宮さんの作品がだいぶ興奮を呼んだというか、刺激を受けたのです。

Bunkamuraでルーベンスを観てきたばかりではあるが、日本画の岩絵具の強さに確信を持つ。
宮さんの作品は一見荒々しかったり、「塗ってある」という感じなのだけれど、それが存在感につながり、とても気持ち良かった。
大作もそうだし、3列4段の小さなパネル12枚からなる《red》《blue》《green》という3つの作品もなのだが、音楽的であってお洒落。物質感があり、奔放だったり大胆だったりするのに、逆に繊細な感じがする。

すっごい簡単に言えば、センスが良い、という感じだろうか。

あー、なんていうのかな、この感覚。
不思議な心地よさです。



[メモ]
宮いつき 依田万実 二人展
新宿高島屋10階美術画廊 (新宿)
6月19日まで
『プラハ国立美術館展 ルーベンスとブリューゲルの時代』
展覧会『プラハ国立美術館展 ルーベンスとブリューゲルの時代』

フランドル地方に焦点を当てた展覧会。
フランドルとは現在のベルギー北部のあたり。17世紀頃には芸術が大変栄えた。
当時のフランドルで一世を風靡したブリューゲル一族とルーベンスを中心に、同時代の絵画を紹介する展覧会。

展示室に入ると、最初はブリューゲルの作品。
ピーテル・ブリューゲル(Pieter Bruegel)は、16世紀に農村の情景を描いて人気を博した。大量の注文を請け負うために工房を作り、子孫たちがブリューゲルの作品を受け継いで一時代を築く。この一族を包括してブリューゲルと言い、作者を区別するために、名前の後に「(父)」や「(子)」等と表記されるのが一般的。今回の展示でもそうなっている。

ブリューゲルの作品って、沢山のものに囲まれて観るととても良い。ということに気づいた。
大きな展覧会などで1・2点ぽつっとあるよりも、こうしてまとめて観る方が、訴えてくるものがある。
農村の季節を伝える作品、生活を伝える作品、そういったそれぞれが物語りだす印象を受ける。描かれた風景、遠景などに、思わず見入ってしまう。

今まであまりブリューゲルってパッとしなかったのだけれど、ちょっと考え直さなきゃな、と反省。

ルーベンスの作品もその他の同時代の画家の作品も、当時の文化的雰囲気を嗅ぎ取ることが出来る。
僕はこうした展覧会に来るごとに、その時代時代でどんな画題に需要があり、盛んだったのか知るきっかけになっているが、今回もそうだ。
それぞれの時代時代に様々な背景があり、芸術があって、それらに一方的に現在という瞬間のみでジャッジを下すのは乱暴だろう。
画家の息吹を感じ取りつつ、彼らの前に広がっていた文化に思いを馳せると、たとえ興味がない展示だったとしても、楽しみが出てくる。


興味深く観れた展覧会。



[メモ]
プラハ国立美術館展 ルーベンスとブリューゲルの時代
Bunkamura ザ・ミュージアム (渋谷)
7月22日まで

巡回:
→鹿児島市美術館→山梨県立美術館→奥田元宗・小由女美術館→愛媛県美術館
『グレゴリー・コルベール』展
お台場に3ヶ月間限定で美術館がある。
ノマディック美術館
グレゴリー・コルベールの ashes and snow 展の為に出来た移動美術館だ。設計は坂茂
貨物コンテナとリサイクル可能なもので作られた、全て現地で手に入るようなもので作られた美術館。

展覧会『グレゴリー・コルベール』

グレゴリー・コルベール 外観1

グレゴリー・コルベール 外観2

グレゴリー・コルベール(Gregory Colbert)[1960-]は、ドキュメンタリーの制作から入り、その後写真も扱うようになったアーティスト。カナダ出身。
過去15年間でエジプトや南極など40カ国以上を訪れ作品を撮影したきた。

今回のノマディック美術館は、移動式の仮設美術館ということもあり、サーカスを思わせる。
サーカスはジプシーに起源を持つが、作品に多く砂漠が出てきたので、よりそういった印象を受けたのかもしれない。

展示のメインは写真である。他に、映像作品が3本ある。
写真は全て天井から吊られ、宙に浮いている。
手漉きの大きな和紙にプリントされた巨大な写真がずらっと並ぶ。動物と人間が写された写真だ。どんな雰囲気かといえば、トップの画像のように、ちょっと普通では考えられない図。異様なまでに人間と動物の親密な様子が撮影されている。

館内に入ると、まず象シリーズの写真、続いて映像3本。最後に虎(?)や鳥シリーズの写真、という構成。
特に、像のがよかった!美術館の雰囲気もあってだろうが、ぞくぞくしてしまった。

和紙にプリントされている、と述べたが、その質感というか画面が、写真らしくない。とても不思議な感じ。つまり、絵画や版画のようなのだ。
作品にもよるが、写真と知らなければ絵と思ってしまうくらい、それくらい写真離れした画面だった。

どれも途方もない大自然の中での人間と動物をモチーフにしたものだが、僕は、人間と自然の共生、や、自然との共存、という感じはあまり受けなかった。なんというか、そういったありがたい教訓とかではないなと思う。
作品があまりに作品だから。「アートして」いるから。
確かに、人間と自然との共生・共存ではあるが、それ以上に、人間が人間でない、のである。
このことは、ヴィデオ作品を観るとより強く実感できた。
人間らしさのない人間、と言おうか。人間が自然の中のオブジェのような。生物界のヒエラルキーとかが取り払われ、かなり対等な「生物」として写されている気がした。

また場所は、象なんかは特に、広い海辺や砂漠など。
水平線の見える作品は、杉本博司の《シー・スケープ(海景)》を思い出した。
時を超越した感じ。

場所を特定させず、時間の概念も消失させる。
果てしなく広がる自然の中で、動物と親密に在る人間。
悠久の時間を感じさせ、精神が画面の中に広がる素晴らしい作品。


残念だったのは、
後半の虎や鳥のシリーズは、象に比べるとイマイチだった。ちょっとSFっぽ過ぎて残念。
あと、2つめの映像は長過ぎでしょう。間延びしていてどうも…。


とういことで、面白い展覧会。おすすめです♪


ただし!!
僕にとっては、展覧会入場金額新記録(笑)。
1900円って……衝撃。聞いたことない。
さらに衝撃は、図録。
16800円………。
ちなみに、875000円の厳選作品集や、3500000円のヴェネチア・コレクターズ・セットという写真集もあったですよ………。



※「像」って書いてたのは、「象」の間違いでした(苦笑)

--栗坊さんの記事にTB--


[メモ]
グレゴリー・コルベール ashes and snow
@ノマディック美術館 (お台場)
6月24日まで
ワンコイン・ゾラ
ゾラの生涯 ワンコイン・ゾラ
以前にも紹介した、『ゾラの生涯』のDVDを500円でゲット(買値は499円だった気がする)♪
何気なく店頭を見ていたら発見したのである。安いっ!!

内容は以前のレヴューを

そのうちワインでも飲みながら観たいと思います。


ゾラもまだまだ読むものがあるなぁ。