アーティスト 加藤雄太 のブログ
展覧会のレヴュー、本の感想、その他制作の日々の模様など。
ホームページは yutakato.com 作品掲載してます。

<< April 2008 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

◇4月の掲示板◇
作品 200804

ついに4月。春って感じの季節になりました。

未だ、目標の“濃密”に程遠い感じなので、新年度こそは気合いを入れていこうと思います。
春眠暁を……

今月は、なんとなく春っぽくなってしまった作品を。

-----------------------------
注)Doblogのスパム対策新機能を早速使うことにしまして、今月から、コメント及びトラックバックを頂いた際、その後僕が承認するまで画面に反映されなくなります。ようは今まで通りコメントとかしてもらって大丈夫です。ただ、すぐには画面に表れなくても慌てないで下さいね。ちゃんと承認しますのでお待ち下さい。よろしくお願いします。
-----------------------------


[画像]
《彼方の鏡面》
2008/02/02
岩絵具、板
53.0×72.7cm
《…》
Powdered mineral pigments on wood
※画像の無断転載・転用は禁止です
レベルアップ
前回個展終了後から、展覧会へ行ったり、本を読んだり。
琴線に触れる作品を前にして、何かを得たり。
改めて画集をめくったり。

そんなことをして来ました。

それが、先日の夜、突然、1つに重なったというかなんというか。
吸収したものが、一気に開花する感覚を得た。
本当に突然で、興奮して寝付けねー!と思ったですよ。

そして最近は、「強度」について考えている。
良い作品の持つ強度とはいかに?
それが掴めつつある。
今後の作品も次の個展も、大いに飛躍できそう。


それはそうと、コメントを承認制にして以来、頂いたコメントを1度だけ謝って削除してしまいました。しかも目を通す前に…。
コメントしたのに反映されてないぞ、といったようにお心当たりのある方、申し訳ございません。もう一度、コメントお願いします。以後気をつけます。




新たな
発表の予定ができた、と言いましたが、そのご報告です。

『新世代への視点』というイベントが、銀座・京橋の10軒のギャラリーによって隔年で開催されています。その関連企画である小品展へ出品することになりました。各画廊が選んだ若手作家の作品を、会場となる画廊に一堂に展示する、というイベントです。
僕は、ギャラリー山口からの出品となります。

『新世代への視点2008 小品展』
2008年7月29日から8月9日
ギャラリーなつかb.p

小品を1作ですが、嬉しい嬉しい。
こうして、繋がっていくというのが、とても大事だし、嬉しいです。




『長沢 明 展』とそれから
今日はいくつかギャラリーを巡ろうと思った。
まずは、ガレリア・グラフィカへ。
長沢 明 展』が企画展として開催されているので、非常に観たかったのだ。
展覧会『長沢明』

僕が個展をやった1Fと、普段は常設展の2Fの両方を使っての展示。
長沢さんは岩絵具を使って描く。
デフォルメされた虎などがモチーフなのだけれど、とても良かった。ホント。

荒々しいマチエールは、壁画を思わせる。その色やモチーフの描き方と相まって、非常に原始的な洞窟壁画のような印象を受ける。
剥落しそうな、なんとも美しいマチエール。グッと心をとらえられてしまった。
そうした中にある色は、不思議と深みを持っていた。最近、素敵な色彩との出会いが多い。
大胆で力強くもあり、同時にとても繊細な色遣いと絵肌。絵画が力を持つ時を目撃した気がする。
観て良かったです。

[メモ]
長沢 明 展
ガレリア・グラフィカ (銀座)
4月26日まで



その後、画商さんのところへ。ガレリア・グラフィカから近い。
僕の絵の額装が完成して、オフィスに飾ってあった。うーむ、新鮮な再会。嬉しいなぁ。

こないだのアートフェアのことや、今後の展開のこと、最近の思い等を、色々とお話しする。本当に親身に話し合ってくれて、とても嬉しい。良い出会いをしたと、改めて思う。
そんな中、かなーり期待を持ってしまうこともあり、顔を出してよかったー♪良い方向へ進んだら、興奮しながらご報告しようと思います。

けっこう話しこんだので、予定していた他のギャラリー巡りは止めて、新宿へ。
数日前から、途端に日が長くなった。ある時急に長くなった気がする。夕方とはこんなに明るかったのかと驚く。きっと毎年のことだろうに、新鮮に感じられることが嬉しい。
夜に触れる風も暖かかった。
『マティスとボナール』展
展覧会『マティスとボナール』千葉っ。佐倉っ。行ってきましたっ!また。
川村記念美術館!!
以前、満を持して行ってきて以来2度目。

行ったのは日曜。11時に東京駅でリンタロさんと待ち合わせ、エアポート成田で佐倉へ。佐倉駅からさらに送迎バスで美術館へ。
美術館でランチを食べ、美味しくて満足し、もう帰ろうかー、などと冗談を言いながらも当然観る。
いや、帰らなくて良かった(笑)。

川村記念美術館は前回行った後、改装したため、先月まで休館だった。今回、改装し新しくなっての最初の展覧会。

まずは、企画展の『マティスとボナール』。
アンリ・マティス(Henri Matisse)[1869-1954]はフランスの画家。20世紀を代表する画家。荒々しい色彩による野獣(フォーヴ)のような表現をフォーヴィスムと呼ぶが、そのフォーヴィスムのリーダー的存在であった。エコール・デ・ボザール(国立美術学校)では、受験に失敗するが、モローに絵を見てもらいたい一心で敷地に通い、彫刻をデッサンしたりする。その甲斐あって、ある時モローに声をかけてもらい、聴講生としてモローのクラスに参加させてもらった。
色彩とフォルム、そして制作の“過程”に多大な興味を抱き描いた。晩年は色紙を切った切り絵による作品が有名であり、その色彩と軽やかな形は評価が高い。また、セザンヌの絵画を生涯所蔵し手放さず、セザンヌを尊敬していたのが分かる。
ピエール・ボナール(Pierre Bonnard)[1867-1947]もフランスの画家。象徴主義やゴーギャン等の影響の元に、装飾性と平面性を特徴としたナビ派の中心メンバーだった。エコール・デ・ボザールで、同じくモローに師事。
鮮やかな柔らかい色彩に溢れた画面が特徴。

さてさて、僕はマティスは以前から気になっていて、最近もっとマティスを知りたいと思っていたのでちょうど良かった。一方、ボナールは然程興味を持っている画家ではなかった。
が。
……やられました。完全に。
あまりに素晴らしい作品に、もうここで何を書けば良いかわかりません。

「絵画、それは視神経の冒険の転写である」

ボナールの描く形と、そして何より、画面を構成している色。オーラというか、そういった力が作品からもわっと妖しく溢れ出している。
一見すると緑、それに調和する青。或いは、赤と紫。一気に精神に語りかけてくる色彩であり、釘付けにならざるを得ない。
僕は、どこかゴーギャンに近いものを感じる。
大胆にデフォルメされた形も構図ももちろん良い。
全てが上手く相まって、ボナールの絵画が語りかけてくる…というよりも、観ているこっちが絵画へと没入していく。

マティスはやはり興味深い画家だ。
マティスが一体何を見ていたのだろう、ととても気になる。
恐ろしく単純化された形を示す線。そして、補色によって引き立てあう色。とてもとても平面的で、色彩同士の兼ね合いで勝負しているような、それぐらい大胆な省略。
画面全体をリズムとしてとらえたくなった。
画面の中の奥行きとかとは無縁。形と色があるだけ。ただし、その形と色は、興味が尽きない。どこまで自由になれるのだろう。

兎に角良いです。


展覧会『マティスとボナール』外観さぁ、そして、常設展。
僕の2大頂点の1人、マーク・ロスコへの再会。
ロスコは20世紀のアメリカの画家である。バーネット・ニューマンらと共に活躍し、抽象表現主義に分類されたりする。
ロスコにしてもニューマンにしても、作品に大きな特徴があり、またそれはとても大事なことである。それは、大きさ。
圧倒的に、でかい。作品の前に立った時、近づいていると視界に入りきらない。作品に包まれるような、そんな感覚が重要なのだ。
ロスコの描く絵は、本当に少ない色彩で、平らな色面があるだけである。しかし、それが無限に深い。
all over という言葉がある。つまり、中心がないのだ。全体が中心であり、全体が部分である。
ロスコは、人間の怒りや悲しみ、絶望や喜びと言った感情にしか興味が無く、ただそれを描くだけだと言っている。それを描いたのが、それらのシンプルかつ大きな作品なわけだ。
そして、絵画と鑑賞者の間に生まれる至高の経験にこだわった。つまり、作品の前に立った時、もうそれは作品と鑑賞者だけの関係であって、他の何者も介入させない、と言っている。

それほどの崇高な体験が、この日本で出来るのです!!

ロスコの作品だけのための部屋。ロスコ・ルームへ。
ここには7枚の作品が展示されている。
一気に空気が変わる。薄暗いその部屋は、空気すらも遠慮して、じっとしているかのようだ。
この部屋こそ、体験しないことには、共有できないでしょう。解説はしないです。
ひたすら瞑想へと誘われ、作品と向き合う。
もはや…絵じゃない。そこにあるのは、人間の精神の大いなる秘密とでも言えば良いのだろうか。それに、触れられる。

以前来た時、初めて視て、持った印象の1つに「子宮のようだ」というのがあった。
しかし、これは僕だけの特異な意見であろうと思っていた。
ロスコ・ルームを出て、リンタロさんが「子宮みたいでした」と言ったことに、衝撃を受けた。

さて、ロスコの記述ばっかしですが、他の常設展示も良かったです。
ニューマンも良かった。相変わらず大きくて、素晴らしい体験が出来た。


企画展、常設展、2つを通して言えるのは、紛れもない“芸術”というものが、確かに存在しているということ。
陳腐な議論な思想を超越した、人間の紡ぐ極みの1つにがそこにはあり、触れられる。

そして僕は、自分でもワクワクしてしまうくらい、大きなヒントを得た。次の個展が自分で楽しみなくらい、それくらいに飛躍できる展示が出来そうだし、作品を創れそうな感触を得た。
ボナール、マティス、ロスコに感謝である。



[メモ]
マティスとボナール 地中海の光の中へ
川村記念美術館 (千葉県佐倉市)
5月25日まで

巡回:
→神奈川県立近代美術館 葉山
その後も色々観ていて…
シュルレアリスムと写真』を観た後、恵比寿ガーデンプレイスでは、「Maple Life」というよくわからない特設テントが出来ていて、メープルシロップとかが沢山紹介してあった。ホットメープルドリンク?を試飲。そして、ガーデンプレイス内に散らばっているスタンプを押すというスタンプラリーを完成させると、缶に入ったメープルキャンディーがもらえるとのことで、恥じらいも無く集める。キャンディーうまいです♪

新宿の高島屋へ。実は住所は渋谷だということに最近気づき、非常に驚いたのだけれど、それはおいといて、大学時代の助手さんの個展を見る。
千々岩修展』。先日のアートフェアの時に出品されていたと言ったうちの1人。アートフェアでも今回でも本人に会えず残念。モチーフというか絵の変化に僕は気づいた。

昨日は、午後、銀座へ行って、とあるギャラリーでN先生と待ち合わせ。先生のだいぶ昔の教え子さんの作品を拝見。
その後、先生とともにギャラリー山口、ギャラリー東京ユマニテ、と移動。ギャラリー山口では山口さんがこないだの個展の作品を非常に褒めてくれていて、とても嬉しく思う。
茅場町へ。知り合いの作家さんが森岡書店という古書店で個展を開催中なのです。『有坂ゆかり展』。作品も書店も建物も、とても良かった。駅から近いので、是非足をお運び下さい。

それはそうと、私事ですが、有坂さんの作品を観て、有坂さん、N先生、僕の3人で食事をしてアルコホリックしている時に、ふいに次の展示が決まりました!!
ギャラリー山口から、むふふな電話がありまして、夏に発表する機会ができました。
次の展示は初秋の個展のつもりでいたから、何とも嬉しい♪
こうして、自然と発表の予定が増えるというのは、本当にありがたく嬉しいです。
詳細は、また後日。




『シュルレアリスムと写真』展
観に行ったのは6日(日)なのだけれど、以降夜は帰宅すると眠ってしまい、今頃記事にしている次第。

展覧会『シュルレアリスムと写真』

恵比寿の写真美術館で開催中のシュルレアリスムの写真展。
あまり期待していたわけではないが、シュルレアリスムという視点からの写真展とあって、興味を持っていたので行ってきたのである。

そもそも、シュルレアリスムとは何か?
シュルレアリスムについては、以前『UTによる「シュルレアリスム」講座』で書いているので、そちらをご覧下さい。

で、写真展だけれど、これが良かった。期待していないだけに、かなりふにゃーっとした感じで観に行ったのだけれど、最初っから質の高い写真たちで嬉しくなる。
最初の方は街角を撮ったものが多く、シュルレアリスムっぽくはないのだけれど、何とも言えない素晴らしい雰囲気が漂っていて、本当に様々なイメージが湧き上がる。

展示が進むにつれて、いよいよシュルレアリスムっぽくなってくるわけだけれど、写真としてシュルレアリスムを表現している見事な作品たちだった。
シュルレアリスムの技法を上手く写真で行っているわけで、例えば…
「コラージュ」をうまく使った不思議な世界。
そして、「デペイズマン」による、関連のないイメージの組み合わせによる、揺らぎや化合。シュルレアリスム講座でも取り上げた『解剖台の上でミシンとコウモリ傘が出会ったように美しい』も出展されている。

中には、笑えるものもある。なんたるセンス。林檎のヘタがねじだったり……(笑)。笑っちゃいました。

それにしても、観ていて痛感したのは、マン・レイってやっぱりすごいなぁ、ということ。突出してレベルが高いと思った。

最後の部屋の展示は、まったく面白くなかったので、締めがイマイチでしたが、楽しめる展覧会だと思います。



[メモ]
シュルレアリスムと写真 痙攣する美
東京都写真美術館 (恵比寿)
5月6日まで
『アートフェア東京2008』
夜。アルバイト終了後、有楽町へ。
東京国際フォーラムで、とあるイベントが開催されている。
アートフェア東京2008

展覧会『アートフェア東京2008』

アートフェアとは、簡単に説明すると、さまざまな画廊が集まって会場をブースで仕切り出展し、それぞれがおすすめの作家の作品を展示。そこへ美術好きな人たちが訪れて、作品を観て、購入する場、というところだろうか。
作品を観て購入する、という展では普通の個展でもあることだが、多数の画廊が一堂に会するという点と、なによりもその売れ具合というかお金の飛び交い具合が桁違いである。
アートフェアは海外ではメジャーなもので、中でも世界最大と言われているのはスイスのバーゼルで行われるもの。アートフェアは一般公開の前にプレヴューがあるのだが、その段階でほとんどが売れてしまうし、何百万以上の価格の作品がひょいひょい売れていく。
そういった世界のアートの状況に、なにかと遅れていると言われる日本でも食らいつこうと近年始まったのが、今回の「東京アートフェア」であり、年1回開催されている。

こないだ画商さんのところへ行った時、観てみるといいよ、と招待状をもらったので行ってきた。

いやいや、有楽町で降りて東京国際フォーラムの周りは閑散としているのに(本当にここらで開催されているのかと思った/笑)、会場はひっきりなしに人が出たり入ったりして賑わう賑わう。
そして、会場は独特の空間であった。これを肌で感じておきたかったのだ。
出展しているギャラリーは、有名ギャラリーが多数あり、本当に多種多様な作品を、現在の美術の最前線を、一気に見られる感じであった。

会場では、直接の知り合いでは3人が出展されていた(内、2人は知らずに見に行った)。
大学時代の助手が2人。それと、IZUBIでいっしょに受賞した作家さんが出品されていた。会場ではたと出くわし、久々の再会。年末の飯田橋での個展に来て頂いて以来である。

こうして、自分の生きている世界を確認して、自分のポジションをより明確に掴めるようにすることは大事。よい機会でした。
色んな作品も観れたし、色んなギャラリーの作家を観れたし。

んー、けっこう燃えてます。刺激をもらったですよ。
香気ある、芳ばしい
いい加減、本の記事をどんどんあげよう、と思い、ゴーギャンの『ノア・ノア』を書こうと思った。
が、つまらなかった記憶が強い。書くこときっとないぞ。
しかしそこで、僕のお気に入りのゴーギャン故、ゴーギャンのことについての描写を多くしようと思い、さらりとゴーギャン再学習をしようとしたら、あぁ、彼については書くことが多過ぎる!今でこそ改めて新鮮に飛び込んでくる情報も多く、お疲れモードでは書けそうにない。
とういうことで、延期の決定が下された(笑)。

深いなー深いなー、なんなんだこの人は。


昨日、桜を見たり掃除をしたり、と書いたが、その後、急に思って梅見亭九君に連絡し、我が駅まで来てもらい、飲む。突然でも、仕事終わりに駆けつけてくれる彼。大変嬉しいぞ。ありがとう!
今朝は、いつも通り早朝出勤して雑誌を出している頃から、いや家を出る前から、体調が優れず大変だった。季節の変わり目だからだろうか。




春を吸う
洗濯や掃除にいそしんだ1日。
途中、暖かさと天気に誘われて、久々に川の方へ行ってみる。久々……、目の前なのに(苦笑)。

今日もボートコースは平和だった。
湖面に反射する日光に霞む。

戸田公園 春を吸う1

左奥の桜並木へ。


静かに桜を観賞。

戸田公園 春を吸う2

休日っぽい一時。


ゴッホ《花咲くアーモンドの木》をイメージして。

戸田公園 春を吸う3