記事のアップが遅くなってしまったけれど、実は先週の金曜日、またまた展覧会へ行ってきました。
アルバイト終了後、小雨の中、お礼状用の必要なものを買い物。
その後、あーもう行ってしまえっ!と上野へ向かう。
東京国立博物館で行われている『大琳派展』へ。
アルバイトはずっと立ちっぱなしだし、買い物で相当疲労していたが、もたもたすると明らかに混むのが分かっているので、アクティヴに攻めたのです。
金曜は夜間延長を行っているので20時まで。18:30くらいに到着。
琳派は1970年頃にできた名称で、
俵屋宗達を始めとするある一連の流れに基づいた作家たちの呼称。京都を舞台に宗達が活躍した後、
尾形光琳や弟の
尾形乾山(けんざん)などがその作風を継承し、その後は江戸を舞台に
酒井抱一(ほういつ)が更にその流れを継承した。この宗達・光琳・抱一が有名。ただし、この三者はそれぞれ100年くらい活動時期に差があるので、直接指導をしたりされたり、ということはない。
金や銀をを用いた、装飾的な画面が特徴。
会場は、夜間開館にも関わらず混んでいた。さすが琳派。みんな大好きだ。これが日中だったら、どんなに凄い人だろう…。なぜ混むか?やっぱり分かり易いから、というのが少なからず理由としてあるでしょう。印象派と同じです。知識無く見れる。単純に「綺麗」という世界。
今回は、書や工芸品を作り宗達とコラボした
本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)、宗達、光琳、乾山、抱一、抱一の弟子であった
鈴木其一(きいつ)らをメインに展示されている。
見て回ると、まさに「大」琳派というような豪華な展示内容で、かなり見ごたえがあった。
ただ、日本美術の宿命…、あまりに激しい展示替えがある。出品リストはものすごい量の作品が載っているが、複雑な展示替え故、実際に観られるのは半分くらいだろうか。まぁ、劣化の問題があるから仕方ない。
でも、充分堪能できました。
《風神雷神図屏風》や宗達の《白象図》、光琳の《燕子花図屏風》、抱一の《夏秋草図屏風》など豪華ラインナップ。
でもなんだか見たことある作品が多い気もした。以前の
国宝 風神雷神図屏風 宗達・光琳・抱一 琳派芸術の継承と創造』展では、三人の風神雷神図屏風を同時に見たし、
『対決 巨匠たちの日本美術』展もついこないだで、ダブる作品も多い。が、見ようと思って見られるわけではないので、改めて楽しんだ。
やっぱり美しい作品は美しい。菖蒲や朝顔の青など、はっとする。
デフォルメや空間を大胆に残す構図などには、日本人の美意識を見るし、センスの良さに見入ってしまう。
改めて考えてみて、こういった背景の残し方は本当に独特だよなぁ、と思った。わび、さび、の精神やら、静けさや寂しさに美を見出す民族故の画面構成っていうのは確実にある。
うーん、今こうしてタイプしながら考えてみると、ますますそう思ってきた。水墨画なんかの余白の割合とか異常でしょう。でも、雪のついた枝にカラスが止まっているだけの絵で、美しさを感じてしまうのだ。
個人的に1番「おおっ」っとなったのは、鈴木其一の《秋草・月に波図屏風》。かなり小さい屏風なのだが、まず単純に美しかった。草と様々な色の花の響きあい。本当に綺麗。その美しさにぼぉーっとしていたら、裏側から当たっている照明の強さが変わった。それとともに絹本の絵肌には波と月が浮かび上がってくる……。秋草の背景に、うっすらと浮かび上がってきた月と波。…ぶちのめされた。
と、見応えは充分ありました。日中の混みようがどの程度か気になるけれど、作品は素晴らしい。
そういった意味ではオススメです。
ちなみに僕が行った時は、混んでいるとは言ってもかなりじっくり観れました。充分好きなだけ観れる感じだったです。
それにしても、
ピカソ展でも言ったけれど、今回も燃えましたね。なんかね、何でも描いてやるっ!やってやる!という気分が更に盛り上がりました。
大琳派展 ---継承と変奏---
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東京国立博物館・平成館 (上野)
11月16日まで