アーティスト 加藤雄太 のブログ
展覧会のレヴュー、本の感想、その他制作の日々の模様など。
ホームページは yutakato.com 作品掲載してます。

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ああ、そうか
非常に疲労感。
アルバイトから帰宅すると、気絶したように眠ってしまった。

それでも、絵に関して「ああ、そうか」と、ぱっと視界が開けるような、そんな革命的な考えを得る。
ちょっとこの気づきは大きいかもしれない。
絵に表れているものについて。描くことの自由について。
毎日常に、そういったことに思いを巡らせいているが、そういう態度でいると、ふと啓示的に、線が繋がる瞬間がある。
自分の中の創造性が、暴れたがっているのを感じる。

今制作中の作品が遅々として進まず、もやもやとしていたが、何とかなるかもしれない。
新作への道は険しい。


それはそうと、このブログの文字が小さかった気がしたので、少し大きくしてみました。記事のタイトルと本文です。ちょっと読み易くなったはず。
それと、ブログ内検索が、ページの1番下にあったので使いづらく思い、右のメニューに移動してみました。こっちのほうがいいよね。
去年の8月4日以前の過去記事はコメントやトラックバックも含め一気に移行できたので、だいたい体制が整った感じです。あとは、ぽつぽつ画像をつけていきます。


それから告知ですが、4月に岸町公民館で、「やさしい日本絵画の見方」という講座を行います。前回の西洋絵画の講座の第2弾です。
この準備に追われている最近!
良い内容にするので、是非ご参加を。岸町公民館に電話で申し込めます。
日本絵画鑑賞講座
『荒井春美作品展』
土曜日のことになるけれど、アルバイト終了後、元同僚の作品展を観に行った。

行く前から仕事で相当疲労していたが、DMが結構いい感じだったので観に行こうと思っていた。
一足先にバイトをあがっていたエイコ氏と合流し、駒込へ。
初駒込。生活感溢れる町という印象。

場所は普通のアパートの一室。なんでも、外国人が多く住んでいるらしい。
地図の場所に着いても、建物の外に一切看板などは出ておらず、「ここで展覧会をやっている」と知っている人じゃないと、どう考えても中に入ろうとは思わない。

中に入ると、廊下がまっすぐ伸び、左右には普通にアパートのそれぞれの世帯の玄関ドアが。
大丈夫か。
本当にここか。

後で聞いたが、間違って居住者のネパール人の部屋に入ってしまったりとか、けっこう多いらしい(苦笑)。

展覧会『荒井春美』1


 作者の荒井さん→



それでも、奥の部分は、廊下の壁に作品が飾ってあり、そこの部屋の中では、机とソファがあり、壁には作品があった。

ソファに座り、チャイを出してもらい、暫し談笑。

展覧会『荒井春美』2

作品は、旅先で撮った写真をもとにして、版画にしているらしい。
なんというか、不思議な時間感覚。
今現在、目の前にいる彼女が撮ったとは思えない、ということ。つまり、非常に昔の作品を目にしているような、そんな質感だった。
そしてそのことが、旅をした本人ではない鑑賞者の僕に、切なさを感じさせる。

展覧会『荒井春美』3


駒込駅のホームからは、偉大なるロスコがこんな形で……(笑)。
展覧会『荒井春美』4



[メモ]
荒井春美作品展 うたがきこえる。
@MARUIKE HOUSE (駒込)
終了しました
『ルーヴル美術館展』
岸町の桜 2009天気は快晴。朝のうちは寒さの残るものの、陽射しが気持ち良い。

午前。電車に乗り、武蔵浦和で降り、岸町へ。日本画木曜会の指導。
駅のホームからは、綺麗に富士山が見えた。

公民館へ向かう途中、池のほとりの散歩道みたいな所を通るのだけれども、ちらりちらりと桜が咲き始めていた。

木曜会のほうは、皆さん3作目以上に入られて、色々と試している。
指導する側としても、多種多様に応じる為、懐かしい知識を思い出したりと面白い。


さて、木曜会を終えて、早春の陽気に誘われそのまま上野へ。
『ルーヴル美術館展』を観ようと思ったのだ。
展覧会『ルーヴル美術館展』0903

“ルーヴル”と付く以上、多少は混んでいるかな、と思ったのだけれど、これが着いてみると、入場制限中な程混んでいた。
“印象派”や“ルーヴル”というネームヴァリューが持つ力はすごい。
10分くらい列に並び、館内へ。

僕は基本的に『〜美術館展』というのは、期待せずに観に行く。今回も期待せずに行った。ただ、フェルメールはなかなか本物観られないし、見られる時に見ておこう、という思いから足を運んだのだ。

館内は当然大混雑。
以前、「絵画鑑賞は居合いのようなもの」と言ったと思うが、見た瞬間に心に迫ってこないならば、さらっと流す。本当に見るべきものに注ぎ込めば良い。
なので、人垣の後ろから、流れるように鑑賞していった。

で、けっこう作品良いです。
今回の展覧会は、17世紀のヨーロッパ絵画を国などに関係なく集めたもの。全71点。
見ていると、作品から色々な雰囲気を匂いとして感じた。

例えば、上流社会のきらびやかな生活。優雅な社交。
21世紀の東京にいて、作品の前で、その時代に思いを馳せる。

また一方、その時代の風俗や市井の様子。
どことなくユーモラスな表現が印象深い。

と、相変わらずさらさらと足は進んだが、それでも所々、良い作品と出会った。


さて、今回の目玉は、レンブラントの自画像もありますが、でもやはりフェルメールでしょう。
フェルメールについては『フェルメール展』の記事や『フェルメール「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展』の記事などで詳しく書いています。

今回は、《レースを編む女》が来ている。
結構じっくりと観たけれど、この作品は以前の記事の作品のような感想というよりは、ひたすら静謐だった。
この作品と他の画家の作品の違いは何だろう?と、作品を観ながら考えた。
そして、今回思ったのは、その透明感。周りに展示されている同時代の作家たちと比べても、これは全く異質のものだ。
そして、その透明感は、描かれている女性の周りの空気をも描いていた。しかも、ただ空気を感じるのではなく、ホコリや塵が漂い、そういったものがまさに光りに反射しているような空気。単なる透明感のある色彩ではなく、そのような“透明な空気”を通して我々は彼女を見るのだ。


僕は、19世紀以降の絵画の方が、今グッと来る時期なので、そういった主観はあるでしょうが、それでも良い作品が多かったと思います。
ただ、まともに観るのが困難なほどの混み具合だけはどうしようもないですね。それでも観たいというなら、行ってみると良いのではないかと。


ちなみに、常設展も観たけれど、こっちはガラガラ。
せっかく、良い作品があるのにっ。こういった時、ルーヴルにだけ目を向けない感じになると、アート鑑賞の裾野も広がる気がします。

上野の桜は3分咲きでした。
上野の桜 2009



[メモ]
国立西洋美術館 (上野)
6月14日まで
『小山利枝子展』
記事を書けなかった最近しばらくの間の、いくつか美術展のエントリーを書いたけれど、美術館以外にも、画廊へも行っていた。


以前、この展覧会でN先生に紹介していただき(正確にはもっと前から)、知り合いになっていた小山利枝子さんの個展。
あれ以降、何度も展示を行っているようで、かなり頻繁にご案内を頂いていた。
展示どころか、スペインかどっかへも短期滞在しに行っていたような気がする。

展覧会『小山利枝子展』0903

南青山のギャラリーへ。
会場へ着くと、ご本人がいらっしゃった。久しぶりにお会いする。

作品は、以前ギャラリーで見た時とか、多摩美美術館での展示よりも、すごく良かった。
何が理由か分からないが、これまで見てきた中で、1番すっと僕の中に入ってきて、非常に気持ちが良かった。

小品から大作まで、スペースの割に非常に沢山展示してある。
モチーフは、花。
ただし、ただの花として描かれているのではない。N先生の言葉を借りれば、そこに小宇宙の中に大宇宙を見る。
小さな命。されど、そこには確かに生命の輝きがある。その美しさや強さに気づけるのが画家だ。
そのことを、素直に描いた作品たち。

小さな命がモチーフであるにも関わらず、パワーを感じる絵だった。


暫し話し込ませてもらって、色々と僕自身の作品の事とか現状とかをうだうだ言っても、ちゃんと応えてくれる素敵な方。
僕もがんばろうと思ったですよ。


エントリーを書けなかった日々により、既に展覧会が終了しているのが惜しいです。



[メモ]
小山利枝子展
@始弘画廊 (南青山)
残念ながら終了してます
美術カフェ PICNICA
ええと、ブログ障害や移転などで、エントリーを書いていなかった1ヶ月間の事を綴り始めていますが、そういえば、一瞬仙台へ帰りました。

その時、暇だし仙台のカフェでも探してみたら、良さそうなところを発見し、行ってみたのです。

PICNICA1

良さげでしょ〜?(笑)


店内では、常に作家の展覧会をやっているようです。
僕が行った時は、有馬涼子さんという方の個展で、こんな感じでした。
PICNICA2

入り口には、色々とグッズも。
PICNICA3

僕は、こういうとこ好きです。ヒット。
今後は、帰仙する度に、行ってみようと思います。
PICNICA4

場所は、ローカルな言い方をすると、一番町のアーケードを抜けて、元サイカワの近く。
ちなみに、2階はギャラリーになっていました。言われないと気づかない感じで、ちょっとかわいそうな…。
『マーク・ロスコ』展
展覧会『マーク・ロスコ』

会期が始まって間もない頃、ついにこの展覧会が始まった……との思いを胸に、3度目となる川村記念美術館へ行ってきた。
マーク・ロスコの展覧会。
以前からなんども言ってきたように、ロスコは僕の中での絵画の2トップの1人。
1年以上前から、この展覧会を楽しみにしてきた。それが、ついに…。

上野でリンタロさんと待ち合わせ、電車に1時間弱揺られ、京成佐倉駅へ。シャトルバスを待つも、40分くらいの時間があるので、タクシーで美術館へ向かう。
川村記念美術館のバス時刻表

川村記念美術館といえば、ロスコ・ルームであるが、今はロスコ展のためロスコ・ルームは閉鎖され、企画展示室にロスコの作品が集中されている。

いつ観ても幅広く、素晴らしい常設展示がまず迎えてくれる。
はやる気持ちを抑え、一通り観る。

ニューマン・ルームは、今までで1番感動を受けた。勿論、今までと全く同じ部屋なのだが、当日の僕の体調とか精神状態とか、色々と影響しているのだろう。
バーネット・ニューマンの《アンナの光》という作品1点のみが、常設展示されている部屋。ロスコ・ルームと並んで、川村記念美術館の目玉の1つである。
幅6メートルを超える作品。
絵を前にすると、瞬間的に、別な世界へとトリップするかのような、それぐらいの強度を持った作品だ。今回はそれを改めて感じた。


そして、いよいよロスコ展の会場。
最初の部屋に、赤と緑の作品1枚が展示されていた。これが、いいっ!
会いにきたよ、ロスコさん。

マーク・ロスコ(Mark Rothko)[1903-1970]は、アメリカの画家。所謂、抽象表現主義に美術史上は分類される。
非常に巨大な画面に、輪郭のはっきりしない四角い色面を描いた作品で有名。
もともとはマーカス・ロスコヴィッチという名でロシア人だったが、アメリカへ移住し活動した。
作品の展示のされ方に、非常に神経質で、照明などにうるさかった。展示環境が気に入らず、作品の納品を取りやめた事も何度かある。川村記念美術館のロスコ・ルームは、そんなロスコの意向どうりにセッティングされているので、非常に暗い。
凄惨な自殺により、NYのアトリエで死去。
先日、作品が戦後の画家としてはオークション最高値(約87億円)を記録した。


さて、次の部屋には、紙に描いたエスキース的な水彩の作品が多数あった。サイズは小さいが、それでも充分な魅力を持つ。

いよいよ次の部屋は、大部屋となっていて、壁の高い位置にぐるりと四方に惜しげも無くロスコの大作が展示されていた。
鑑賞者は、完全にロスコ作品に囲まれる形となる。
展示のされ方や、照明の明るさにより、ロスコ・ルームとは違った印象を受ける。

最後は、黒の作品の部屋。
荘厳な美しさがあった。

ロスコの作品もニューマンの作品も、一見するとどう鑑賞すれば良いのかわからないような作品だ。
あまりに描かれている要素が少なすぎ、シンプル過ぎ、抽象的過ぎ、巨大過ぎる。

しかし、問題なのは、モチーフの複雑さ、技法の饒舌さ、ではない。

そこから立ち現れてくる、表現の饒舌さこそが、絵の強度なのだろう。
それが、凄まじい程、我々は脳で処理しきれず、混乱してしまうが、本当に良い作品というのは、見ていると自然と心が何かに沸き立つのを感じられる。

ロスコもニューマンも、深い深い沈黙が作品と空間に広がっている。
しかし、そこでは、どこまでも鑑賞者との魂の対話が繰り広げられるのだ。

会期は長い。まだ、何度か行くつもりです。
オススメの展覧会。



【参考:過去のロスコ絡みのエントリー】



[メモ]
川村記念美術館 (千葉県佐倉市)
6月7日まで 
『樋口佳絵』展
 さて、記事を書けなかった空白の1ヶ月の間にあったことなどを、ぽつぽつと書いていこうかと。

最初は、『樋口佳絵』展。

展覧会『樋口佳絵』

樋口佳絵(ひぐちかえ)[1975-]は、仙台出身の画家。所謂、現代アートのペインターである。

まず第1に、仙台出身であるということ(僕は仙台出身なのです)、第2に、若い、ことがポイントとなり、何となく作品を生で観たくなって、ギャラリーへ赴いた。
正直、雑誌やweb上で見る限りは大した事もなく、実際に見て「ふふん」と僕が自信をつける為に見とこうかとも思っていた。

しかししかし、ギャラリーへ着き、作品を観てみると、写真では分からなかった質感が立ち現れてきて、非常に強度を感じ、素直に良いと思った。
実際に見ないと分からない、独特の強さがあり、シンプルな画面なのにしっかりと絵として成立していた。

見に来て良かったと思った。
流石、超有名画廊の作家。

やはり、余程たくさんの作品を見た事がある作家でもない限り、生で見ないとその作家については語る事が出来ない。ということを改めて思う。
まして、その作家が未見なら。

こうした新鮮な出会いがあるから、方々へ足を運ぶ。
そして、得た感覚を自分の中に取り込んで、いずれは自作に更なる「世界への回答」として表出するのだ。


それはそうと、この日は、体調の事とかあって、閉廊9分前に滑り込みで着いた(苦笑)。
その後、動向の友人と、日本橋の居酒屋でアルコホリック。仙台へ異動になるかもしれないという衝撃の発言を聞く。ああ、寂しくなる。
熱燗片手に、長く楽しい時間でした。



[メモ]
終了しました
とりあえずブログらしくなって
とりあえず、全ての記事を移しました。
画像は多くがまだ空欄ですが、新しい記事から順に、徐々に張り直していこうと思います。
少し移せなかった記事があるようで、それはチェックして修正していきます。

カウンターは、前回のが11万アクセスくらいだったと思うのだけれど、はっきり分からないので、切りよく10万からにしました。

やっとブログらしくなって、記事を再開する気が出てきました!よろしくです。
ぬぬん!
ブログ移行、インポート第1弾のご報告
 Doblogのエクスポート機能リリースに伴い、とりあえず過去記事をアップロードしてみました。
しかし、まだ2008年8月4日未明から2009年2月8日までの記事分しかエクスポートできない為、その分のみの引っ越しです。なので”第1弾”。

しかもやってみると、これが困った事に改行などがまるでされない…。あんぐり。これが普通なのだろうか?
あまりにも見づらいので、色々と試行錯誤をして、ようやく改行やリンクが整った状態となりました。

ただ、お気づきのように画像がありません。これは、地道に少しずつアップしていくので、とりあえずここまででも、よくやった!と思ってください。

あと、リンクが外部(Wikiとか)への部分は問題ないですが、自分のブログ内の記事へのリンクだった部分は、そのままなので、つまりDoblogの過去記事に飛びます。

それと、カテゴリーはまだ分けてないです。これも徐々に整えます。


とりあえず、こうして移行作業をしながら、ブログが書けなかった間に観た展覧会の事とか、色々とありますので、そっちのほうも新たに記事をあげていこうと思います。
むふふ、そう、あの展覧会へ行ってきましたよ……!


構築しながらの新生ほやほやの『半地下の手記』ですが、どうぞよろしくです。
ブログを引っ越してきました
 JUGEMでは初エントリーのアップです。

数年にわたり利用していた Doblog が、2月8日以降、障害により書き込めない状況が続いているので、これを機に移転してみました。

Doblogで書いていた分の記事は、インポートしてこちらに移すつもりです。
画像も徐々に作業していこうかと。

以前のように、いずれ掲示板もトップに置こうと思います。月一の作品掲載を楽しみにしていてくれる人も多いと思いますので。
とりあえず、ちょっとずつ構築していきます。色々と機能も多いみたいだし。
整ったら、なるだけ更新頑張ります!

以前から読んでいてくれた皆さん、初めましての方々、どうぞよろしくお願いします。