アーティスト 加藤雄太 のブログ
展覧会のレヴュー、本の感想、その他制作の日々の模様など。
ホームページは yutakato.com 作品掲載してます。

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赤羽橋、銀座などのギャラリーを巡る
赤羽橋のギャラリーや、銀座のギャラリー椿で行われている展覧会を観に行く。砂を誘い、新宿で待ち合わせる。
が、僕の体調が最悪。持病のお腹の不調が出て、なかなか新宿まで辿り着けず、本当に苦しむ。
待ち合わせに1時間弱遅れ、罪悪感いっぱいで、それでも何とか新宿へ到着。ルミネのカフェで待っていた砂に会えた。
本当に申し訳なかった…。ごめん、砂。

気合いを入れて、大江戸線に乗り赤羽橋へ。

ISSOという人の写真展『憶えてますか?』
展覧会『isso 憶えてますか』

会場の照明を落とし、写真のフレームぴったりにライティングしてあり、ぼわっと写真が浮かび上がる感じ。
1人の少女を1年くらい撮り続けた写真とのこと。


そのまま、すぐ近くの初めて行くコマーシャルギャラリーである、GALLERY TERRA TOKYO へ。
ほんの数分の距離だった。
で、建物がまずものすごく立派で驚く!
Gallery Terra Tokyo 外観
タクシーの上の窓のあたりがギャラリーです。

ギャラリー内も、衝撃的な広さ。本当にビックリした。

岩崎宏俊という人の展示。
展覧会『岩崎宏俊 Between Showers』

鉛筆や木炭のドローイング、と、その世界観のアニメーション作品。
ドローイングにも関わらず、非常にセンスが良い作品。魅力がありました。


銀座へ行き、ギャラリー椿へ。
呉亜沙さんの個展。
展覧会『呉亜沙 whereabouts』

かなーり有名な方なので、期待して観に行く。
小品でもかなりの値がついていて、それらは多くが売れていた。

作品は、正直すごく良いとは思えなかった。
想像ではもっと強度があるのかと思ったけれど、僕にはそれは感じられず、深みのようなものは無かったんだなぁ。
でも、世界観は本当に一貫していて、徹底している。もっと長い時間注視したら、感想も変わってくるのかな、とも思う。


その後、新宿へ出て、休憩しながら砂と語らう。
だんだん熱くなってきて、トークにも熱が入る。
美術界の状況とか、自分たちのこと。こういう時間はホント楽しい。

そして、マイケル・ジャクソンのCDやDVDを砂から大量に貸してもらった。ありがたや!!
全部見聴きするだけでも相当な時間が必要な量で、楽しみだ。

あぁ、本当に良い作品を作りたい。それらだけで、個展会場を埋めるのだ!
追悼 マイケル・ジャクソン
マイケル・ジャクソン。
今日はこれに尽きるでしょう…。

朝、バイトへ向かう前にテレビをつけると、目を疑う速報が……。

凄まじいショックでした。忌引きにしようかと思った程。

近年、彼は僕の中で本当に盛り上がっていて、ほとんど神格化状態だった。
なんていうか、気になってきて、そして色々な動画見ていると、「あぁ、これが真のエンターテイナーか」と痛感させられたのだ。

圧倒的なパフォーマンス。
そして、オーラ。
本当に凄まじい。

そんじょそこらの有名人とかとはまるで別次元の存在。

知れば知る程、そういう思いは強くなって。

まさに唯一無二。今後、あのレベルに達するミュージシャンは、まず出てこないだろうなぁ。

あぁ、何言っても陳腐ですね。今日はホント凹んでました。

さっきはテレビでコメンテーターのおじさんが、「中年の危機」が何ちゃらとか言っていて。すっげーくだんねー。
明日もスポーツ新聞の記事とか、嫌でも目に飛び込むんだろうなぁ。そして、そういった新聞は、マイケル・ジャクソンについてではなく、整形や過去の嫌疑とか、そんなのにばっか言及するのだろう。

日本の社会は、誰かに本気で向き合う、ということをしない。
全力で向き合ってみろよ。
そういう中でしか、奥深くにある生を輝かす湧き水には出会えないのだろう。

毎日生活していると、くだらないことは本当に沢山あるが、そういったことから僕はすっと遠ざかる。
そんなことに接する時間なんて無い。
向き合うべきものが、他に沢山あるのだから。


あー、Michael!! I want you back!!!

『西嶋雄志 ―連なる痕跡―』展
続いて、Doblogで知り合った彫刻家の西嶋雄志さんの個展へ。
ブログを通じて知り合って、かれこれ数年になりますね。
このブログでも、右の検索機能で名前を入れていただければ、いくつか過去記事が出てくるかと思います。

銀座の数多くのギャラリーが入っている奥野ビル(旧銀座マンション)内の巷房へ。
この巷房は、メインである3階のスペースの他、地下の巷房2、そしてその隣の階段下、と計3スペースあるのだけれど、こんかい西嶋さんはその全てを使って個展をされている。

会場では、ご本人にお会いでき、久々にお話しできた。
作家本人の写真も撮れば良かったのだけれど、うっかりこってり忘れてしまいました。

ご本人の了解を得たので、写真を見ながらご紹介しましょう。

展覧会『西嶋雄志 連なる痕跡』1
これは3階の様子。
西嶋雄志は、この2年間くらい針金を素材として作品を作っているのだけれど、この壁に貼付けてあるような作品は初めて見た。和紙が張ってあります。

この3階の作品も良いのだけれど、僕のお気に入りは地下の展示でした♪

展覧会『西嶋雄志 連なる痕跡』2
まずは階段下。
階段下は狭いのでこの作品のみ。
今まで使ってきた針金が、人体を形作っている。

展覧会『西嶋雄志 連なる痕跡』3
お隣の巷房2。

展覧会『西嶋雄志 連なる痕跡』4
別の角度から。
針金が渦を巻いているのがわかるでしょうか?

展覧会『西嶋雄志 連なる痕跡』5
座る人。
これを観て、瞬間的に思ったのは、西嶋さんに似ているということ。聞いてみると、やはりそうでした。

いやー、この地下の展示は圧巻でした。
人物の形象としての内部をぽっかりと無くした表現。
見ていると「存在」とは何なのだろう、と考えてしまう。人を人足らしめているものは何なのか。

虚ろ、と、空虚、を用いて、存在を表現する、非常に素晴らしい作品だと思います。

喪失されている人体のパーツ、しかし、その表面の断片を無意識のうちに頭の中で繋ぎ合わせ、そこに“居るはずの気配”を見る。

近くにいかれる方は是非。
西嶋さん、良い展示を見せていただき、ありがとうございました。



[メモ]
6月27日まで
木曜会後、銀座へくり出る
今日は定例の日本画木曜会。
天気も良さそうで、朝、電車に乗り武蔵浦和へ。到着後、岸町の公民館へと歩く。

日本の季節毎の様子を、写実的に描いている生徒さんがいるのだけれど、ついに今日新作が完成。
前回アドバイスした所を、家で直し、持ってきた。
完成度の高さに、素直に驚きます。県とかの展覧会に出品したら、きっと入選するだろう。
いつも遠くまで取材に行って、初心者とは思えない程貪欲にあらゆる技法を試して、本当に入魂の制作。

こうして教えていると、その姿を見て、こちらも奮起させられるので、とても良い刺激。



終了後、昨日は家でまったりしてしまったので、浦和駅へと行き、高崎線で上野へ。
上野から銀座線で日本橋で降りる。

展覧会『西村画廊35周年』
西村画廊で行われている35周年記念展を観たかったのだ。

小林孝亘とか町田久美とか舟越桂とか、超メジャークラスの取り扱い作家がならぶ。
こうしてまとめて取り扱い作家を何人か観ることが出来るので面白い。実作はやっぱり色々と発見がある。

で、僕のお目当ては樋口佳絵さん。
う〜ん、しばし見入る。
なんだなんだ、なんなんだ…。

7月25日まで


その後、京橋へと歩いて向かい、ギャラリー山口を訪問。
そのまま銀座へ行き知り合いの作家さんの個展へ。これについては次の記事で。
『フランス絵画の19世紀』展
ちょいとご無沙汰です。コメント放置ですいませんでしたっ。

町田にいた頃はそうでもなかったけれど、今は横浜が遠い。ので、けっこう億劫になってしまうが、折角招待券もあるし、ということで行ってきました横浜美術館。

着く前に、美術館付近で面白いおじさんを見かけたのですが、それに関しては最後に書きます。

展覧会『フランス絵画の19世紀』
『フランス絵画の19世紀』という展覧会。
結構内容が良さそうな印象だったので、わりと期待していた展覧会。
これは会期が経つにつれ混むかなぁ〜、と思ったので早いうちに行っておきたかった。

会場に着くと、結構ガラガラ。予想外に空いているのでビックリするとともにラッキー♪

さて、肝心の展示だけれど、フランスの19世紀絵画というと、やはり印象派などを思い浮かべるもの。しかし、この展覧会はそれらに的を絞るのではなく、印象派の画家達が乗り越え脱しようとしたアカデミスムにも重点を置き、19世紀という時代にあった両者に光をあてるもの。
こういった展示構成が非常に功を奏して、とても良い展覧会でした。

もともと印象派だって、以前の「印象派講座」の記事で述べたように、そこに至る流れがあるわけで、19世紀の大部分に力を持っていたのはやはりアカデミックな絵画であり、サロンである。反発する対象があったからこそ、印象派が誕生したとも言えよう。
新古典主義、ロマン主義、そしてクールベに代表されるレアリスム、象徴主義、印象派、新印象派、と神話や歴史画、肖像画に風景画など様々な美術を見ながら、フランス絵画を楽しめる内容だった。

ただ単にありがたそうな絵画を並べる展覧会も多いが、今回のは非常に見応えがあったと、僕は思う。
筆触や色彩、画題など、ある瞬間に絵画の方向が変わるのがよくわかり、絵画のドラマを見ている感じ。
作品も良く、先日「美の巨人たち」で放送されたばっかりのアングルの《パフォスのヴィーナス》や、アレクサンドル・カバネル《ヴィーナスの誕生》、なども空いている中好きなだけ観る事が出来た。これ以外にも勿論、多くの巨匠クラスの画家の作品が出ている。

なんていうか、絵画って時代とともに生きてきた、ということが良く分かるし、観ていて全然嫌な感じとか飽きたりとか、そういったこと無く鑑賞できて、これは展示が非常に良いってことなんだろうな、って思います。

最後の方は、印象派や新印象派や象徴主義の作家達。
如何に革命的だったか。そして、自由とは、危険を冒してえるものでもある、という絵画史のメッセージ。



[メモ]
横浜美術館 (横浜)
8月31日まで


では、今回はおもしろ写真が何枚か撮れたので披露しましょう。
記事が長くなっちゃうので、下をぽちっとクリックしてご覧下さい。
続きを読む >>
わくわく温野菜
最近、加藤画伯は野菜に惹かれております。
そして、前々から、「ああ、おうちで温野菜が食べたいわ」と思っていました。温野菜が一体なんなのかよく分からないくせに(苦笑)。

そんな折、N先生から温野菜な話題に触れられたメールが届いた。
先生は温野菜ライフとのこと。
圧力鍋を勧められるが、そもそも超絶な経済難につき、野菜でしのごうと思っているので、それはちょっと…であった。

ネットで調べてみると、電子レンジで温野菜が作れるタッパーのようなものが売っているではないですか。
早速今日、近所で購入(が、僕が買ったのは類似品というか乗っかり商品で、しかもちょっとだけ高い…/涙)。

で、早速野菜を買い込んで、レッツ調理♪

取りあえず詰めた図。
温野菜1
キャベツ。ブロッコリー。たまねぎ。もやし。

この時点で、素材を少なめに使ってなるべく一度の買物で日数を持たせようとしているにも関わらず想像以上に多い気がします(爆)。

言ってるそばから、さらにウインナー!!
温野菜2

蓋がなかなか閉まらないっ。
上手く、皆を整えて、むぎゅっと蓋をする。

二重の容器にはめて、レンジで加熱。
待つこと2分少々。


温野菜3
……多い。

ポン酢をかけていただきました。
美味しくなかったです。
何かを間違った感じです。ブロッコリーは草の味がしました。

ということで、温野菜の達人を募集でーす。
『だまし絵展』
相変わらず精力的に展覧会へ行く。
今日行った中で美術館クラスの展覧会は、Bunkamura ザ・ミュージアムにて、『だまし絵展』。
このブログでは、最近のBunkamuraの展覧会が良くないと言い続けてきているが、それでも一縷の望みを託して行ってみた。

展覧会『だまし絵展』

「だまし絵」とはつまり、視覚的なトリックを持つ作品。
今回の目玉は、ジュゼッペ・アルチンボルド《ウェルトゥムヌス(ルドルフ2世)》で、これは日本初公開となる。この作家の作品名やタイトルでピンと来ない人でも、恐らく作品を見れば「ああ、これか」と言うであろう有名な作品(気になる人は、リンク先をどうぞ)。

さて、展覧会の感想を先に述べると、非常に楽しめた!
そうだよ、Bunkamura!こういう展覧会をもっとやろうよ!

「だまし絵」と一口に言っても、様々なタイプがあるわけで、そもそも“だまし絵”というよりも、“視覚的な特殊効果”とでも言った方がしっくりくる展示だった。
考えてもみれば、絵画自体が二次元に三次元を表出しようとするイリュージョンな訳で。

展示室に入ると、まずは16〜18世紀に描かれた作品が並ぶ。
この辺は、画面自体の縁に木枠とか額縁を描いて、そこから人やモチーフが飛び出している、という図柄が多い。もしくは、画面にモチーフが張り付いているような作品。これらがしばらく続く。
なんというか、昔からこういう作品って描かれていたんだなぁ、と思いながらさらりと鑑賞。遊び心の部分。

その後、画面の中心に、鏡のような円筒状の物を置くと、そこに図像が表れるという作品や、正面からだと分からないが、横から見ると分かる作品とか、だんだん凝ったのが出てきた。

展示がグッと面白くなるのはその後の日本美術のエリアから。
ほんと〜に遊び心。シルエットとシルエットを構成している図を並べた作品なんかは、思わずぷっと吹き出してしまうユーモアがある。

その後に続く、シュルレアリスム、そして現代美術のゾーンは圧巻だった。
おなじみのマグリットやダリなどの作品が並ぶ。やっぱりマグリットは面白かったなぁ。
展示を観ていると、まるで、あなたが見ているのは現実ですか?あなたは現実とは何か知っていますか?という深い命題を突きつけられているようで、世界の認識の仕方に対する揺らぎを受ける。イリュージョンとリアリティを行き来する作品。

最後の現代美術の展示室も素晴らしい。
世界へのアプローチの仕方というのは、こうも多彩なのか、と驚く。
個人的には、作品の前に立つと、空間の黒が質量を持ち、奥行きが消失する作品(アニッシュ・カプーア《虚空 NO.3》)が印象に残っている。
他にも様々なアプローチで、既成の現実感などに振動を与えてくれる作品が多々。

1番最後には、最近話題の作品。画面を見ながら移動すると、描かれている絵が自分の移動に合わせて動くパトリック・ヒューズの《水の都》が。
これは本当に驚いた。だって、絵が動くんですもん!
実際に体験すると、現象を知っていても本当に驚きます。

アート・アミューズメント・パークに来たかのような、楽しい展示だった。
「うむ」とか言いながら難しい顔をして鑑賞するのではなく、純粋に楽しめる。
でも、ただ単に楽しむんじゃなくて、その先だよね。
特に後半の作品群は、普段我々が生活している中で慣れてしまっている価値観に、一石を投じる。そこで受けるハッとする目覚めのようなもの。
良い展覧会だと思いました。



Bunkamura 以外にも色々と行っていて……
最初は神楽坂へ。Yuka Sasahara Gallerymori yu gallery へ行った。
神楽坂のギャラリー yuka sasahara

その後、銀座へ。
Gallery風。IZUBIで一緒に佳作を取り、表彰式で知り合った方から、久々に個展のDMが届いていたので、観に行く。

そして渋谷へ。この記事のだまし絵展を観る。
観賞後、すぐ上の階の Bunkamura Gallery の展示を観る。写真家3人のグループ展『hole』

う〜ん、ぐんぐん蓄積されていく日々♪



[メモ]
8月16日まで
『現代アートバブル』
 本『現代アートバブル』
著:吉井仁実 (光文社新書) 777円
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これも電車用に読んだ本。
これが執筆されたのは、リーマンショック以前。まだアートバブルがはじける前で、現代アートが高騰している頃。

著者の吉井仁実さんは、清澄白河のギャラリー hiromi yoshii のオーナーである。元々、お父さんが銀座の吉井画廊の経営者で、幼い頃から文化人が家に来る環境にあったらしい。
仁実(ひろみ)という名前も、武者小路実篤がつけたものでだし、小林秀雄が家に来ては、まだ幼い吉井さんのベッドで寝てしまったり、などというハンパじゃない美術のバックグラウンドがあった。
吉井画廊で勤務するも、現代アートに惹かれていた吉井さんは独立し、最初は六本木の芋洗坂、そして現在は清澄白河でギャラリーを運営している。
今や、現代アートに関心のある人ならまず聞いたことがあるであろう、日本を代表するギャラリーの1つですね。

さて、アートがファッション雑誌でまで特集されたりしている昨今、ブームに乗っかって出版されたのかと思い、あまり期待せずに読んでみたのだけれど、この本は個人的に面白かった。
真摯な内容。

911がアートに与えた影響、色んな作家の作品の解説も少々、現代のコンテンポラリー・アートの特徴、などが初めに語られる。
その後、ギャラリーを立ち上げるまでの経緯、開廊間もない頃の話とか、あるいは、現在のアートフェアなどアートマーケットの状況とか、自身のスケジュールを公開してギャラリストが一体どんな仕事をしているのか、など、この辺かなり面白く読めた。
世界は広いんだ、と読みながらぷるぷるしてました(笑)。

で、全体を通して流れているのは、敷居が高いと思われがちで、なかなか入りづらいと感じられてしまうギャラリーという場所が、いかに身近にあって、気軽に訪れて良い場所なのか、ということ。日本人のライフスタイルとアートの鑑賞や購入を、もっと親密なものにしようという思いである。

よくわからないと思われがちな現代アートの楽しみ方、接し方、ギャラリーを訪れてどうすれば良いのか、など、これを読むと、少しは壁が取り除かれることと思います。僕としても、そうして少しでも多くの人が気軽にギャラリーに足を運んで欲しいです。

独立間もない頃、とあるおじいちゃんと孫がギャラリーを訪れて、両親が共働きだから面倒を見ているのだけれど、おもちゃ屋とかに行っても買い与えてばかりだし、映画に行ってもお互い観たい映画は違う、しかしここには共通に興味を感じるものがあり、楽しみながら孫と会話をすることが出来た、と感謝された話。
恋人の誕生日に絵をプレゼントしたい、と言って相談してきた人の話。
ボーイフレンドが初めて部屋に来るのだけれど、知的に見せたいから何か部屋に飾る絵を紹介して欲しい、と言ってきたOLさんの話。
勿論、こんなのは数少ない例なのだろうけれど、でも少しずつでもこういう状況が生まれていることを知れて、ちょっと嬉しかった。

最近は、この手の本で、ビジネスビジネスしていたり、やたら作品の破格の価格っぷりや、世界の富豪達の話がほとんどのものが多い中、この本はそういうところにばかりフォーカスせずに、普通に嫌悪感無く、ギャラリーという場所やコンテンポラリー・アート(=現代アート)に興味を持てる内容なのではないかなと思う。
だんだん見えてきた
日本画木曜会。
行きは小雨がぱらついていたが、帰りは太陽が照っていた。日光が暖かい。
それぞれの画題が多種多様で面白い。本当に自由にやっています。


最近は制作漬け。
また新作が出来かけているが、どこか気に食わない。以前なら完成にしていたかもしれないが、今の僕はそれを許さない。

もっと力のある絵にしたい。
圧倒的なまでの色彩。
強烈に魂に迫ってくる深さ。
そんなものを求めて、最近は試行錯誤です。
アンテナを張って、突破口を探す。

今まで通りとか、うまくまとめる、とか、そんなんだったら、いっくらでも描けるんだけれど、そうじゃないんだよ。
もっと強度のある絵画。

何か掴みかけている感覚はあるんだなぁ。
あとは、形になれば。
う〜む、う〜む、あと一歩。期待していて下さい。
『草間彌生展』などを巡る
日本有数の有名な現代アートコレクターに、精神科医の高橋龍太郎という人がいる。1000点以上ものコレクションを持ち、そしてそのコレクションは、アート好きなら誰でもが知っているような超有名作家の作品がずらりとある。
そんな高橋さんのコレクションで構成された展覧会『ネオテニー・ジャパン』が上野の森美術館で開催されているが、そちらではなく、この春日比谷にオープンした「高橋コレクション日比谷」という、やはりこちらもコレクションを常に展示しているスペースへ行ってみた。
現在はオープニング企画で、草間彌生の展覧会が開かれている。

銀座へ。歩いて高橋コレクション日比谷へ。また銀座界隈に、新たなアートスポットが1つ誕生した。

展覧会『草間彌生展』@高橋コレクション
遠目からもそれとわかる、草間彌生オーラ!

入場し、展示スペースへ入ろうとすると、入場料がかかるとのこと…。知らなかったよー。ギャラリーだと思っていた。
大人300円。学生は150円。

個人のコレクションで、世界的巨匠の個展が出来るとは……。ペインティングの大作、大きなソフトスカルプチャ(草間特有の、柔らかい彫刻。無数のペニスがにょきにょきしているやつ)、なども含め、過去の作品から近作までずらり!
やっぱり草間彌生の作品のパワーはすごいです。そこから溢れるバイタリティ。これって作家にとってすごく重要。制作に向かわせる内から込み上げる力。これがこの人の場合半端じゃない。
ワンルームの展示室だけれど、見応えはあると思います。

ミュージアムショップ的なものも併設されていて、こちらも楽しめる。きっと展示内容に合わせて、品物も変わるのだろう。

今後、どういう展示があるのか、楽しみ。

それにしても、アウトサイダー・アートだとかオタクだとかがアート界で注目されるようになってからというもの、美術雑誌やメディアなどで、精神科医が出てくることが多くなった気がする。
こいういうことって、考える余地があるよなぁ。


日比谷線に乗り、築地へ。
『坂本佳子展』。南国を思わせる展示(モチーフはタイの町だったのだけれど)。


歩いて、新富町へ。
西野達という人の展示。
色んな意味で度肝を抜かれた。「こちらも展示があります」とスタッフの方に案内され進んでいくと、奥の倉庫っぽいスペースや、事務所、給湯室までに展示が及んでいた。部屋を貫通する街灯。


展覧会『山本磨理展』
歩いて銀座へ行き、ぎゃらりぃ朋
気になっていた展覧会。『山本磨理展』。
砂に教えてもらった作家さんで、ホームページを見たら作品が良かったので、早速個展へ行ってみた。
前回の個展で、もっと小さい作品が欲しい、という声が多かったらしく、今回は小品のみの展示だった。
それでも作品は良かったけれど、もう少し大きいのも見たかったなぁ、と思う。


そんな具合で、最近はギャラリー巡りを積極的にしている気がする。行ったこと無いコマーシャル・ギャラリーもけっこう行っているし。
色々と発見もあって面白いです。なんだかんだと、東京という都市の恩恵。
たとえ、記憶から消えてしまったとしても、見るという行為の蓄積はどこかにされているのだろうと思う。そういうのが、審美眼にも繋がるし、自信の芸術にも繋がるのだろう。



[メモ]
7月26日まで