相変わらず精力的に展覧会へ行く。
今日行った中で美術館クラスの展覧会は、Bunkamura ザ・ミュージアムにて、『だまし絵展』。
このブログでは、最近のBunkamuraの展覧会が良くないと言い続けてきているが、それでも一縷の望みを託して行ってみた。
「だまし絵」とはつまり、視覚的なトリックを持つ作品。
さて、展覧会の感想を先に述べると、非常に楽しめた!
そうだよ、Bunkamura!こういう展覧会をもっとやろうよ!
「だまし絵」と一口に言っても、様々なタイプがあるわけで、そもそも“だまし絵”というよりも、“視覚的な特殊効果”とでも言った方がしっくりくる展示だった。
考えてもみれば、絵画自体が二次元に三次元を表出しようとするイリュージョンな訳で。
展示室に入ると、まずは16〜18世紀に描かれた作品が並ぶ。
この辺は、画面自体の縁に木枠とか額縁を描いて、そこから人やモチーフが飛び出している、という図柄が多い。もしくは、画面にモチーフが張り付いているような作品。これらがしばらく続く。
なんというか、昔からこういう作品って描かれていたんだなぁ、と思いながらさらりと鑑賞。遊び心の部分。
その後、画面の中心に、鏡のような円筒状の物を置くと、そこに図像が表れるという作品や、正面からだと分からないが、横から見ると分かる作品とか、だんだん凝ったのが出てきた。
展示がグッと面白くなるのはその後の日本美術のエリアから。
ほんと〜に遊び心。シルエットとシルエットを構成している図を並べた作品なんかは、思わずぷっと吹き出してしまうユーモアがある。
おなじみのマグリットやダリなどの作品が並ぶ。やっぱりマグリットは面白かったなぁ。
展示を観ていると、まるで、あなたが見ているのは現実ですか?あなたは現実とは何か知っていますか?という深い命題を突きつけられているようで、世界の認識の仕方に対する揺らぎを受ける。イリュージョンとリアリティを行き来する作品。
最後の現代美術の展示室も素晴らしい。
世界へのアプローチの仕方というのは、こうも多彩なのか、と驚く。
個人的には、作品の前に立つと、空間の黒が質量を持ち、奥行きが消失する作品(アニッシュ・カプーア《虚空 NO.3》)が印象に残っている。
他にも様々なアプローチで、既成の現実感などに振動を与えてくれる作品が多々。
1番最後には、最近話題の作品。画面を見ながら移動すると、描かれている絵が自分の移動に合わせて動く
パトリック・ヒューズの《水の都》が。
これは本当に驚いた。だって、絵が動くんですもん!
実際に体験すると、現象を知っていても本当に驚きます。
アート・アミューズメント・パークに来たかのような、楽しい展示だった。
「うむ」とか言いながら難しい顔をして鑑賞するのではなく、純粋に楽しめる。
でも、ただ単に楽しむんじゃなくて、その先だよね。
特に後半の作品群は、普段我々が生活している中で慣れてしまっている価値観に、一石を投じる。そこで受けるハッとする目覚めのようなもの。
良い展覧会だと思いました。
Bunkamura 以外にも色々と行っていて……
その後、銀座へ。
Gallery風。
IZUBIで一緒に佳作を取り、表彰式で知り合った方から、久々に個展のDMが届いていたので、観に行く。
そして渋谷へ。この記事のだまし絵展を観る。
観賞後、すぐ上の階の Bunkamura Gallery の展示を観る。写真家3人のグループ展
『hole』。
う〜ん、ぐんぐん蓄積されていく日々♪
[メモ]
8月16日まで