アーティスト 加藤雄太 のブログ
展覧会のレヴュー、本の感想、その他制作の日々の模様など。
ホームページは yutakato.com 作品掲載してます。

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『THIS IS IT』
映画『THIS IS IT』

昨日、ついに観たのです。

素晴らしかった…。

なんかもう、言葉で感想云々という感じじゃないです。

涙、涙。
ファンならば、是非。観ないと後悔します。

きっと、もう1回は観に行くので、その時にレヴューとか書けそうだったらすることにしましょう。
『阪本トクロウ展「共鳴」』など
昨日。午前中イレギュラーのアルバイト。その後、ギャラリー巡りをまたしようと思っていたのでくり出した。

まず両国へ行き、GALLERY MoMo RYOGOKU
阪本トクロウさんの個展。
展覧会『阪本トクロウ』200910

1975年生まれの画家さん。今までも何度か個展などで作品を見ていて、本当に精力的に発表されている。
MoMoの両国のスペースは比較的最近出来たのもあり、今回初めて行った。すごく綺麗で、作品も観易く、素敵なスペースだった。

肝心の個展。すごく良かった。
今まで観てきた中で、個人的に1番だと思います。
今回は、わりと自然の風景も多い。
湿った空気を感じる表現で、今までの阪本さんの印象と違って新鮮な驚き。
すっと画面に入り込める。
その湿度の感じに、間違いなく日本の風景なんだなぁ、と思わされる。
人物のいない独特の風景が、ぐっと染み入ってきて、切なさを感じるような。そんな感想を持ちました。



[メモ]
阪本トクロウ展「共鳴」
GALLERY MoMo RYOGOKU (両国)
11月14日まで


その後、これまた歩いて浅草橋や馬喰町の辺りへ。

現代美術の親分的存在のギャラリー。
ギャラリーの前に到着するも、どこが入り口なのか分からなかった…(笑)。
レントゲンヴェルケとCASHI
右がレントゲンヴェルケ。赤い所が押したら開きました。

続いてそのお隣、上の画像の左の建物の CASHI へ。
こちらはまだ新しいギャラリー。
前々から気になっていた彫刻を見ることが出来た♪

地下鉄で銀座方面へ。

TKG Editions にふらっと入る。
すると、最近テレビで見た感じの作品が。スタッフの人に聞いてみると、やはりそうだった。
ついこないだの「情熱大陸」に出ていた青木良太さんの陶芸作品。面白かったので、興味深く番組を見ていたが、まさか偶然2日後に出会うとは。
おちょこが欲しかった。

ARATANIURANOで、これまた気になっていた展覧会を見る。

その後は、ふらふらと銀座を漂いながら、あの人の個展へ。
展覧会『砂川達政展』200910看板

砂川君、頑張ってます。
閉廊までいて、一緒に飲みに行く。
2人であーだこーだと励まし合い、闘志を燃やし、モチベーションを上げ合いました。
ホームページ更新しました
お待たせしました。
僕のホームページを更新し、個展の会場の様子や、作品も10点をアップしました!

遠方で来られなかった方など、参考にして頂けたらと思います。

…でも、実作はもっといいよ!!
もっと素敵な空間だよ!!

砂のデビュー
寒い。なんだ、この突然の寒さは。
先程、公民館の文化祭の搬出をしてきた。預かってもらおうかとも思ったのだけれど、やはり作品なので心配。
ちょっと雨が降りそうな空模様でもあったので、急いで梱包して持って帰って来た。
それにしても、今日は寒い。


さて、昨日は昨日で重要な日でした。
アルバイトの後、銀座へ。
生憎の雨。フードをかぶって、INAXの側のドトールへ。
砂とヒデジとの待ち合わせ。

そう、昨日は我が同志、砂川君の初個展の搬入の日だったのです!

時間を見て、画廊へ。
展示をする。

おろおろと落ち着かない不思議なテンションの砂川氏。初めて見る姿。
普段の、落ち着いていて冷静な砂とは違う。

そうかぁ。やっぱり作家本人は、こうなるんだなぁ。
僕は、自分の個展の展示は何度もやってきて、その時彼らに手伝ってもらって来たけれど、こうして他人の個展の手伝いをするのは初めて。
きっと、僕も自分の個展の時は、こうなっているのだろう。

展示構成を考えて、壁に作品を並べてみても、いつもの自分の個展とは違って、すごく冷静に見ることが出来た。
客観的な視点からかな〜りアドヴァイスをして、場所を決めていった。

21時くらいに終了。
良い展示です。
友達だから、とかそういうことではなく、作品も良いし、展示も上手くいったと思います。
素敵なデビューになったね!

展覧会『砂川達政展』200910

と、いうことで、お時間がございましたら、皆さん足を運んでみて下さい。



[メモ]
なびす画廊 (銀座)
10月26日〜31日まで
日本画木曜会、文化祭へ
明日から、岸町の公民館では文化祭がある。
それにともない、僕が指導している講座「日本画木曜会」の皆さんの作品の搬入展示に行ってきた。

ちなみに僕もお願いされたので、1作出品することに。
作品を手に持って、朝の晴れた空気の中、電車に乗り公民館へと向かう。
どうも左足首が痛い。結構痛い。昨日一昨日のギャラリー巡りで痛めたのだろうか。ちょっと歩き方がぎこちない。

うーん、それにしても1年とちょっとかかって、こうして展示するまでに漕ぎ着けたっていうのは、教える側としても感慨深いなぁ。

さて、展示の様子です。
日本画木曜会 文化祭1

講師以外は額に入っているという(苦笑)。
日本画木曜会 文化祭2

皆さんと。
日本画木曜会 文化祭3

教えるという行為を通して、僕も学んでいます。
制作するのとは、まるで違う回路を使う感覚。

これからも楽しく頑張って行きましょう♪
『皇室の名宝』展(1期)と上野周辺ギャラリー
昨日、へとへとにギャラリー巡りをしたのは前の記事の通りですが、今日は今日で美術館へ。

上野の東京国立博物館。『皇室の名宝』の1期目の展示を観る。
展覧会『皇室の名宝』

場所も場所だし、内容も内容なので、混んでいるのは覚悟の上、乗り込みました。

混んではいたけど、やっぱりこれは見ておかなきゃな〜、という内容でした。
この展覧会は1期と2期と分かれているのだけれど、現在の1期の目玉は上の画像左側の《唐獅子図屏風》(狩野永徳)と《動植綵絵》(伊藤若冲)の全30幅。
今回も、良いと思ったものは注視し、それ以外の引っかからないものはさらっと流す。

最初の部屋の奥に《唐獅子図屏風》。流石に一双(屏風の右側である右隻と左側である左隻を合わせてこう呼ぶ)並ぶとでかい!
様々な本やら何やらで良く知っていたし、何より自分の講座でも紹介した作品だけれど、生で見る質感でわかること。
近寄ると、おろおろぼそぼその汚い線。超綺麗な神業みたいな線とは全く違う。が、何て言うのかなぁ。大したことないようでいて、その線たちが唐獅子に生命を与えているような、そういった力がその一見酷い線に宿っている。迫ってくるのです。
ああいう筆の動きは、今の人出来ないんじゃないだろうか。
永徳のそれ以外の作品は、特にグッとこなかった。

そして、次の部屋は伊藤若冲《動植綵絵》の部屋。
いやー、世間ではすっかり人気が 若冲>永徳 となったようで、すごい人でした(作品が比較的小さくて多いので混み易いのもあるだろうけど)。

伊藤若冲(じゃくちゅう)[1716-1800]は江戸期の京都の画家。青物問屋の息子なのに、絵以外に興味を全く示さず、ひたすら絵を描いた。一時期、歴史から忘れ去られていたのだが、近年『奇想の系譜』などで再評価され、特に最近は人気画家の1人となっている。

《動植綵絵》がずらーっとならんだ贅沢な空間。
いやぁ、若冲さん本当に変態。
画面を埋め尽くすモチーフ。
対峙したとき、視線が戸惑い、撹乱されるかのよう。
どこを焦点にすれば良いのか、絵の入り口はどこか、驚きとともに僕の視線は踊る。
今までもこのブログで散々日本絵画の展覧会について書いてきて、日本的美意識とか余白の美とか言ってきたけれど、この作品群に関しては、完全にそういった見方ではなく、若冲の独自の美意識の世界。それがすごい。超孤独の中で制作を続け、至った世界なのだろうか。

それから、この《動植綵絵》は、身近な生物たちが描かれた作品群なのだけれど、見ていると本当に生物界なのだと気づいた。
つまり、人間のいない世界というか、その生き物たちの世界を覗き見させてもらっているかのような作品。
その生き物たちのユートピア。のびのびと暮らしている。
これは、若冲ゆえの視線だろう。食用に売られていた雀を全部買い取り、放してやったりする優しい心の持ち主の若冲。
生きとし生けるものへの慈しみが感じられた。

あと、やっぱり色や作品自体が綺麗。狩野派の作品とかはかなり状態が良くないのが多いけれど、若冲はその辺がすごく綺麗。

それ以外にも、岩佐又兵衛の《小栗判官絵巻》もあり酒井抱一の《花鳥十二ヶ月図》もあり、後半には工芸品がメインで展示されていた。
美しい陶器は美しい。
中でも気に入ったのは高村光雲の彫刻、そして光雲の弟子である山崎朝雲の《みなかみ》。良い木彫を見ると、本当にうっとりします。

一方、近代の画家のほとんどの作品は全然良くなかったな。なんか府抜けた感じ。橋本雅邦とか。
ちょっとこの辺は、芸術としての雲泥の差を感じます。まさに外してはいけない所。

これだけの作家の名品を見られるので、見ておく価値は充分にあると思う、おすすめの展覧会。
堪能しました♪



その後、上野周辺のギャラリーに足を運ぶ。
SCAI THE BATHHOUSE

言わずと知れた超有名ギャラリー。現在は『ジュリアン・オピー展』を開催中だった。
ちなみに、このギャラリーは元々銭湯だった建物を改装したもの。
なのでこんな外観です。
展覧会『ジュリアン・オピー』

そのまま歩いて、Gallery jin へ。

結局、今日もかなり歩いた気がします。



[メモ]
東京国立博物館 (上野)
1期は11月3日まで
久々のギャラリー巡り
昨日はギャラリー巡りの日として、いろいろと行ってきた。
以下、順に。

新宿へ出て、大江戸線で赤羽橋へ。
YOKOI FINE ART。『石井麻耶 ―海の歌―』。
展覧会『石井麻耶』200910
波打ち際を描いたシリーズで埋め尽くされたギャラリー内。作品は波にキラキラと乱反射する光が非常に輝いて見えて、この作品で四方を囲まれると、光に包まれているよう。
遠目に見ると、本当に波に太陽が反射してまぶしいあの感じが溢れ出ていた。
会場では「カノン」が流れていたけれど、波の音のCDをエンドレスで流したら良さそう、と思った。

歩いて、GALLERY TERRA TOKYO。『近藤美智子 ―沈黙の間に―』。
展覧会『近藤美智子』
何をやっているのかすら分からず、ギャラリーに入ったけれど、奥のスペースがすごい良かった。
かなり広い空間を仕切って真っ暗にし、ぽつぽつといくつかテレビが置いてあって、夜にある家を写した映像がそれぞれ流れていた。窓の明かりが付いたり消えたりしている。
音響は、秋の夜の音。虫の根とか。
すごい神秘的だった。真っ暗で、眼が慣れないうちはちょっと怖いくらいなのだけれど、そういった深い闇の中に朧げに見える家の映像は不思議と素敵。

駅へ戻り、大江戸線で清澄白河へ。
ギャラリービルで、小山登美夫ギャラリーSHUGOARTShiromiyoshiiTaka Ishii Galleryキドプレス、など日本の名だたる現代美術ギャラリーを見る。こうして1カ所で沢山のギャラリーを見れて便利。

歩いて茅場町を目指す。歩いて行くのは初めてなので、携帯で地図を検索。そんなに遠くなかった。
このギャラリーは、やっぱり洗練されているなぁ。
芳名帳の1つ前の名前は北川健次さんだった。

そのまま SANAGI FINE ARTS へ。
展覧会『武田陽介1』
ここはこの夏に出来たばかりのほやほやのギャラリー。行くのは初めて。
ビルの1階で良い空間でした。
芳名帳を書いていると、作家さんが丁寧に挨拶に来て下さり、写真も撮れるし、事務所内の作品も見せてくれた。
ご好意に甘えて、1枚だけここでも画像を掲載させて頂きます。
展覧会『武田陽介2』

歩いて、unseal contemporary へ。


日本橋駅まで行き、流石に疲れたのと時間が押していたので、銀座線で京橋へ。たった1駅なのに。
まずは、ギャラリー山口
地下の方の展示へ行くと、肩を叩く手が。振り向くと彫刻家の櫻井康弘さんだった。お茶に誘われるが、まだ用事があるので断念。

お近くの、ギャラリー椿

そして、最後の目的地、ガレリア・グラフィカへ。
賑わっている中、用事を済ませる。
そして、来年の個展が決まりました!初秋です。

いやぁ、疲れた。なので、帰宅後はブログを書かずに寝ていた…(苦笑)。
今日はこれから上野へ行ってこようかと。個展で観に行けなかった反動が出ています(笑)。
『クリムト、シーレ ウィーン世紀末展』と『アクエリアス2009』展
さて、月曜日に観た展覧会。
北海道でやっていたのは知っていたのだけれど、気づかないうちに東京に巡回してきており、しかも最終日。慌てて観に行く。

『クリムト、シーレ ウィーン世紀末展』
展覧会『クリムト、シーレ ウィーン世紀末展』

高島屋ということもあり、混んでいたし、この日は後の予定も控えていたので、ぱぁーっと流して見て、やはりクリムトシーレのところを注視する感じに。

久々にこの2人の作品を見た。やはり素晴らしかった。
クリムトの《愛》《パラス・アテネ》。そして、上の画像に使われているシーレの自画像。これらが見られたのだから、それだけでオッケーだ。

絵画というのは画集で知っていても、やはり実作を見て初めて分かるものがある。
今回特に驚いたのは、今あげた3作の小ささ。特に、《愛》とシーレの自画像は、僕の持っていたイメージより遥かに小さかった。何とも新鮮な驚き。
会場の照明のせいもあるのだろうが、《パラス・アテネ》とかそんなにキンキラキンじゃなく、これも意外だった。

それにしても、《愛》なんかはなんとも緻密なタッチ。見つめ合う男女を包み込み、愛撫するかのような筆致。そして、すっと精神とともに昇る構図。ため息。

クリムトもシーレも、ドローイングも良くてしばし見入る。
細い線や太い線、どちらでもそれぞれに魅力ある線だった。

この2人を好きというと、なんというかミーハーな感じで、きっと玄人好みでは無いんだろうが、良いものは良い。この2人はすごい画家です。
装飾性を超えて、視線を捕らえて放さないもの。

東京は残念ながら終了していますが、大阪と北九州へ巡回するようです。



その後、新宿へ行き、ギャラリー渓。名前は知っていたけれど、初めて行くギャラリー。
N先生企画のグループ展『アクエリアス2009』の初日であり、17:30からのN先生のギャラリートークを聞くべく向かう。

出品者は、松永かの、吉田直小山利枝子、有坂ゆかり、の4氏。
松永さん以外は、知り合いの作家さんである。小山さんはわりと最近個展を拝見したけれど、それ以外の方は久々に作品を見た。
なんというか、グループ展っていうのは、会場のまとまりとか難しいと思うけれど、この展覧会はそんなことはなく、調和のようなものがあった。
親しくさせて頂いているというのもあるけれど、でも有坂さんの新作は新たな進展を見せていて、非常に良かったです。
いずれにしても、N先生の推す4人だ。作品の力は間違いないのだろう。
大勢で賑わっていたパーティーでした。

その後、すぐ下の会の「かあさん」で飲み会。
美術界の重鎮の方などもいらして、直接話を聞くことが出来たのは貴重な経験。
アクティヴでいると、日々は恵みをもたらしてくれる。



[メモ]
@日本橋高島屋 (日本橋)
会期終了

アクエリアス2009
@ギャラリー渓
10月17日まで
個展後
個展が終わってから、ばたばたとしております。
そうこうしているうちに、来てくださった方々がBlogに感想を上げてくれたようで。

感謝の気持ちを込めて、リンクさせて頂きます。


皆さん本当にありがとうございました!


僕は僕で、最終日搬出を終え、打ち上げをして、翌日の日曜は公民館で日本画木曜会の振替授業。月曜は久々のバイトへ行き、早あがりして日本橋で展覧会と夜は新宿でN先生企画の展覧会のオープニング。
なので、今日ようやく個展後の色々と作業が始まった感じです。先程、発送する分の作品の梱包が全て終了しました。

個展で発表した新作とか近々ホームページにあげたりもしたいし、観た展覧会の記事も書きたい。
あとは、ようやく一段落ということで、本を読みたいです。うずうず。
Private Landscape
個展、終了しました。
個展 Private Landscape1

大変な天候の週となりましたが、会場に並んだ作品は自信作であり、良い空間となったと思います。

個展 Private Landscape2

銀座だけでも数多くのギャラリーがあり、数多の展覧会がある中、僕のこの空間へと足を運んで頂いた皆さん、どうもありがとうございました。
個展に来てもらうということ、の大変さ。そんなことをオーナーとも話したりしました。
毎回見てくれている人にも、新鮮な何らかの変化を見せるという僕の中のルールを守れたのではとも思います。

個展 Private Landscape3

個展が終わった後はいつもそうですが、この世界の厳しさを痛感します。
途方も無い無限の旅路。

個展 Private Landscape4

平日の昼間の、独り画廊にいる時間。
それは、自分の現状や作品と向き合う時間でもあります。
色々と考えるけれど、でもこの世界ばっかりは何のマニュアルも無いです。
それでも1つだけ外しちゃいけないのは、良い作品を見せ続けるということ。

個展 Private Landscape5

まだ時期も場所も全くの未定ですが、次の個展も期待していて下さい。
全てを引き受けようと思います。頑張りますよ。