今週は、色々と観る展示が重なっている。砂を誘って、繰り出してきました。
いつも通り、待ち合わせは新宿のジュンク堂。今日は大江戸線dayということで(笑)、六本木、赤羽橋、両国と大江戸線の駅を巡って、その後銀座へというルートだった。
『THE ハプスブルク』
どうしても、会場と内容からいって混んでいるだろうと思い、足が億劫になっていた展覧会。しかし、名だたる西洋の巨匠の作品が来ている。行かねば。今日行ってしまえ、と乗り込む。
入ってみると会場はさほど混雑もしておらず、充分鑑賞できる状況だった。
展示も、非常にゆったりと作品が並んでおり、ゆとりを持って鑑賞できる。広く感じたし、かなりの好印象。
ハプスブルク家といえば、名前くらいは聞いたことがあるであろう名門貴族。13世紀から20世紀まで、政略結婚によって領土を拡大し続け、ヨーロッパの多くの王国の国王を輩出。特に、神聖ローマ帝国の皇帝を輩出し続け、随一の名門王家となる。芸術を庇護し、多くの優れた芸術作品が生み出された。
なんかこういう話とか大好きなのだけれど、僕の不勉強で全然知識が足りない。メディチ家とかもすっごい興味あるし、これを機にちゃんと勉強してみないとな、と思います。なので、ハプスブルク家自体についてはあまり語れません。
今年は、オーストリア=ハンガリー二重帝国と日本の国交が結ばれてから140周年らしく、それを記念して、こうして展覧会が開催されている。
肝心の展示ですが、良かったです。
イタリアからは、ラファエロ、ジョルジョーネ、ティツィアーノ、ティントレット。
ドイツからは、デューラーにクラナッハ。
スペインからは、エル・グレコにベラスケス、ムリーリョ。
フランドル・オランダからは、ルーベンス、レンブラント、ブリューゲル。
などなど。そうそうたるメンバー!!
いやぁ、本当に豪華だった。
500年近い時を経ても、まだこうして残り続ける作品たち。
長い時間による選別という、厳しい試練を乗り越えたもの。
それらには、そうなっただけの理由がある。
保守的な意味で言うのではなく、やっぱり昔の良い作品は良いのだ。それを改めて思った。
特に僕が良いと思ったのは、ラファエロの《若い男の肖像》とジョルジョーネの《矢を持った少年》。
なんというか、こういう表現って今の画家はできないよな、という不思議な魅力を持った2点だった。
他の出品作に比べれば、明らかに描き込みが少なく緻密な感じではないのに、それでも視線が留まり、注視に耐えうる。そんな強さがある。
各部屋を抜ける毎に、それぞれ表情を変える作品たち。
隣合った作品でも、作者毎に明確に特徴というか個性があり、そういったものをこうした似た主題の作品同士の中で比較しながら観るのも面白かった。
純粋に、絵画鑑賞の場として質も良く、見応えがありました。
[メモ]
12月14日まで