水曜に観た展覧会をもう1つ。
新宿、初台の東京オペラシティアートギャラリー。『アントワープ王立美術館コレクション展』。
アントワープ王立美術館がどういった所なのか、ということは全く知らなかったが、今回の展覧会、上の画像を見てもらえば分かるように、副題に『アンソールからマグリットへ ベルギー近代美術の殿堂』とある。ベルギー美術も好きだし、アンソールやマグリットも好きだ。けっこう楽しみにして出かけた。
それこそ、マグリット、デルヴォー、アンソール、それに大好きなクノップフなども目玉作家として宣伝されているので、期待は膨らむ。
オペラシティアートギャラリーは相変わらず綺麗で、会期も始まったばかりなので、非常に空いていた。とてもゆっくりと鑑賞できる。
と、それはいいのだけれど、展覧会自体は、全然良くなかった。
アントワープ王立美術館が持っているベルギー絵画が並んでいる、本当にただそれだけという感じ。
展示構成の章毎に、象徴主義のコーナー、あるいはフランス美術から影響を受けた新印象派、
シュルレアリスムや
キュビスム、表現主義など、ベルギーでの芸術の模様が展示され、どのような影響が画家たちにあったか、などは垣間みることが出来たけれど、パッとしない。
もちろん、そういった美術史上の影響関係とか、そういうことを実作を観ながら確認するのは大切なことかもしれないけれど、でもなんか突き刺さってこない。
ぽつりぽつりと、ちょっと良いかな、っていう作品はあったけれども、でも全体を通して、何かが見えてくる、とかそういったことは無いように思う。
特に、最後の最後の展示室、ついにマグリットやデルヴォーが現れるのだけれど、とってつけた、という印象。
天下のマグリットやデルヴォーで締めれば、みんな満足するでしょ的な感じを受けてしまい、僕には逆効果だった。
あんなにちょびっとなのに、あたかもメインディッシュのように展覧会タイトルに組み込むのはどうかと思う。
やはり、『○○美術館展』は大抵酷い、という僕の持論通りになってしまい、とても残念でした。
まぁ、オペラシティは、別会場の収蔵品展示があり、そちらは幅広い作品でいつも楽しむので、残念感は薄まるが。
それに、収蔵品展示の後の通路である Project N という若手作家の個展スペースも観ることが出来る。
とは言っても、それはそれ、これはこれなので、僕は全くおすすめしない展覧会でした。
[メモ]
10月3日まで