アーティスト 加藤雄太 のブログ
展覧会のレヴュー、本の感想、その他制作の日々の模様など。
ホームページは yutakato.com 作品掲載してます。

<< November 2010 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

展覧会出品情報
 僕、加藤雄太の展示情報です。

 『第30回 損保ジャパン美術財団 選抜奨励展』に出品することになりました。
 これは毎年開催されている展覧会で、全国の推薦委員から推薦された若手作家、それから各公募展で損保ジャパン美術財団の賞を受賞した作家が出品できるという形の展覧会です。
 この度、大変ありがたいことに、推薦して頂けたので、次回展覧会に出品します!!

  『第30回 損保ジャパン美術財団 選抜奨励展』
  会期:2011年2月26日〜4月3日
  場所:損保ジャパン東郷青児美術館 (新宿)

 僕は、こないだの個展DMで使用した作品《旅する舟のように》を出品します。

 まだ会期まで時間があるので、また近くなったらご案内します。
 皆さん、よろしくお願いします。
『+PLUS Tokyo Contemporary Art Fair』
 さて、日曜は東京美術倶楽部で行われたアートフェアへ行ってきた。

 去年までは『東京コンテンポララリーアートフェア』という名前で開催されていたアートフェア(去年の様子一昨年の様子)。
 今年が第3回目…かと思いきや、今回から名前を改め、内容も一新し、心機一転『+PLUS(プリュス)』というアートフェアになって生まれ変わった。

+PLUS 2010

 会場は今までと同じく、東京美術倶楽部である。

 今回は、出展ギャラリー数が40と非常におさえられた為、会場に入ると各ギャラリーのブースが広かった。
 実際、アートフェア東京や去年までのこれの前進のフェアに比べると、ずっとブースが広く、見易いし、見応えもあった。
 アートフェア東京も、最低これくらいブースが広いといいんだけどなぁ、と思う。

 内容も、出展ギャラリーが審査でしぼられているというのもあるだろうし、テーマが「品質」だということもあってか、全体的にクオリティが高かったと思う。
 技巧的な作品が多かった。この数年で、すごくアートシーンが動いていると実感。

 ただ、会場だけはどうしても良い場所だと思えないので、もっと別な場所でやってくれるといいのにね、と、一緒に行った砂や片平と話す。東京ドームとか。

 沢山の作品が見れたし、各ギャラリーの色のようなものが1度に見れる機会にもなった。
 また、こういうイベントはいつものことだけれど、色んな意味で様々なことを考えるきっかけにもなる。そういう意味でも良かったです。



[メモ]
@東京美術倶楽部 (港区)
最終日でした、終了
『宮島達男』展
 最近観た展覧会から、前後するけれどこれを。

 上野の SCAI THE BATHHOUSE で開催中の『宮島達男 Warp Time with Warp Self』。
展覧会『宮島達男』

 宮島達男[1957-]といえば、世界的に活躍するアーティストなので、知っている人も多いかと思います。国際的に評価されて活躍している数少ない日本人アーティストの1人。
 数字の人、というと簡単過ぎるかもしれないけれど、数字を使った作品を沢山制作している。これらの作品は、常設展示されている場所も多いので、見たことがある人も多いはず。

 宮島さんの作品は、LEDによるデジタルカウンターを使ったもの。赤や青や白に明るく数字が光る。
 そして、デジタルカウンターの数字は1ずつカウントダウン、もしくはアップしていく。しかし、表示されるのは必ず「1〜9」の間であり、「0」は表示されない。その代わりに何も表示されない状態となる。
 また、1つの作品に沢山のデジタルカウンターが付いているが、それぞれのカウントスピードは違い、それぞれが規則正しく他とは違うテンポで変わっていく。中には、1つ進む(戻る)のに、ものすごい時間がかかる(記憶が正しければ何年とか)デジタルカウンターもある。
 作品のこれらの特徴は、東洋思想によるらしい。殊に、輪廻。

 さて、ギャラリーに入ると、室内がかなり暗く調整されている。その中に、作品の数字が光っている。
 僕は、これだけまとめて作品を見るのは、記憶している中では初めてだった。
 そして、事前のイメージより、遥かに深く訴えかけてきた。

 特にいちばん大きな作品。
 作品の前に立ち、視界を埋め尽くすデジタルカウンターの数字。
 あちらでチラッと数字が動き、こちらでは数字が消える。また一方では、消えていた部分に数字が現れカウントが始まる。

 まるで星の瞬きのよう。
 また、作品としての表現は違えど、ロスコ的な何かを感じた。

 そして、静かである。
 音もなく、変わる数字。
 その静かな、しかし豊穣な数字の星空を前にすると、数字が無限を表しているようにも思え、宇宙的なスケールを感じた。
 無限を感じるが故に有限も意識し、巨大なスケール感が自分に降り掛かってきた時に、深い対話が始まる。


 いや〜、冷たい雨の中足を運んだ甲斐のあった、良い展覧会でした。



[メモ]
SCAI THE BOTHHOUSE (上野)
12月22日まで
『OPEN SPACE 2010』展
 ちょっと前のことになってしまうが、とても良い展覧会を観て(というより体験して)きたので、ご紹介。

 新宿、初台の東京オペラシティタワー4階にあるICC(NTTインターコミュニケーション・センター)へ。

展覧会『OPEN SPACE 2010』その2
 『OPEN SPACE 2010』

 この『OPEN SPACE 2010』は、テクノロジーを駆使した先端芸術というか、ITを使ったアートというか、そういった作品が見れる。
 そして、入場は無料。

 GPSを利用し地球の音を聴く作品とか、色々と本当に興味深い作品があるんだけれど、訪問した最大の目的は「無響室」。
 今回は、この無響室内に「渋谷慶一郎+evala」によるサウンドアート《for maria anechoic room version》が施されている。

 無響室自体は、音を吸収する密室で、中で音を出しても全て壁に吸い込まれる。とても不思議な特別な空間。
 そこに入り、外から扉を閉められると、真っ暗な空間となる。
 室内の壁面中に、沢山のスピーカーが設置されていて、そこから様々な音が出てくる。スピーカーは前後左右は勿論、上や下にも設置されていて、本当に360度から音が発せられる。時にものすごく大きな音で、時に微かな音で。音がぐるぐると360度動きながら。
 そして、音に合わせ、たまにストロボのような強烈な光が一瞬発光する。

 そういった作品なんだけれども、これがホント異次元というか、摩訶不思議な“体験”だった。
 何て言えばいいのか分からないが、無響室の真っ暗な空間に1人立っていると聞こえてくる爆音は、宇宙を感じた。きっとブラックホールに吸い込まれたら、こんな音がするんだろうな、とか、そういう音。
 とにかく、遥か遠くの次元というか、原初的な生成の音…。
 日常では体験出来ない、すごい5分間だった。

 しかも、これが1人で体験出来るのだ。整理券をもらって、順に1人ずつ体験する。
 それに普段は、無響室は解放されていて、つまり扉が明けっ放しなので、完全な無響室というのは体験出来ないらしい。しかし、会期中は扉を閉められ、密室の無響室を1人で体験出来る。


 期待以上に、非常に楽しむことができた。



[メモ]
2011年2月27日まで
ばたばたしてました
 ちょっと更新がとびとびですね。結構忙しくしていて、滞っちゃってごめんなさい。

 とりあえず最近の出来事としては…

 告知していた美術鑑賞講座の1回目が無事終了しました。
 非常に好評で、ビデオ撮影されていた方もいました。
 1回目は、ゴッホとゴーギャンの話をしたのですが、かなり濃密な内容になったのでは、と思ってます。

 あと、行っていた展覧会は…

展覧会『マーク・グロッチャン』
 『マーク・グロッチャン』展@カイカイキキギャラリーとか。

展覧会『ULTRA003』
 ディレクター単位で出展するアート・フェア『ULTRA003』とか。
 これは、去年よりずっと良かったです。事情あって、前期のOctorber sideしか行けなかったんだけれど、面白かったなぁ。

 他にも、ギャラリーとかいくつか巡りました。
 中でも、つい先日からギャラリー小柳で始まった『池田亮司展』はカッコ良かったです!
 超細かい数字の海。
 ギャラリー椿GT2の『高木さとこ』展も良かった。

 他にも観ていて、美術館クラスでは、新宿初台のICCで見た『OPEN SPACE 2010』と上野の国立西洋美術館の『アルブレヒト・デューラー』は、改めて独立した記事にしようと思う。
 近いうちに書きますっ!

映画『ハーブ&ドロシー』
 たしか昨日からかな、以前、先行上映を観て紹介した映画『ハーブ&ドロシー』が一般公開始まりました。
 なんでも初回はそく満席で、その後の上映も行列とのことです。
 おめでとうっ!と言いたいです。
 まだの方は是非。


 とりあえず、こんなところでしょうか。
 明日はバイト後に知り合いの作家さんたちのグループ展のオープニングへ行ってきます。
 そして、次の美術鑑賞講座後編へ向けて準備をせねばっ!
砂の個展のご案内
 先月末くらいから、非常にばたばたとしていて忙しく、かつ、もう次の水曜からは「美術鑑賞講座」が始まるので、その準備に追われていて、なかなか更新できずにいました。
 本当は、行った展覧会で紹介したいものとかもあるのですが、もうちょい待ってて下さい。

 さて、そんな中、昨日は友人である砂こと砂川君の2回目個展の搬入を手伝ってきた。
 アルバイトを早めに上がらせてもらって、銀座へ。

 ギャラリー側の理由で、展示作業の開始がかつてない程遅くなってしまったけれども、なんとかかんとか奮闘して、無事完了しました。

 友人としての贔屓目とかではなくて、良い展示空間になったと思います。
 前回の個展よりも、作品も空間もずっと良いよ!

 展覧会『砂川 達政 個展』は、8日から13日まで。銀座のギャラリーQです。

 展示作業の様子とか、最近のばたばたは、Twitterをご覧下さい。フォローもよろしくです。

砂川達政 個展 2010 c
◇11月の掲示板のような◇
作品 201011

 11月です。
 個展も終わってから、ひと月が経とうとしています。
 まだ、ひと月か…。なんか、もうちょっと前だったように、そんな風に感じる。

 そんな具合に、月日は瞬く間に過ぎる。今年も11月。
 もうそろそろあちこちで、クリスマスやら新年やら、年賀状やらという声が聞こえ出してくるのだろう。

 ぼーっとしてると、やりたいことをやれずに、恐ろしくどんどんと時が経ってしまう。
 最近は、そんな感覚が強いです。
 もっと全力になる。


 さて、今月の画像は、こないだの個展で発表した新作です。
 個展で発表した作品のうち、もっとも小さい作品がこれでした。
 何度もこのblogで、「いやー、今回はすごい変化だよ」みたいなことを言ってきたと思いますが、こうなったわけです。
 自分でも気に入っているし、然るべきプロにも好評価してもらえた作品ですが、もう手元にはないから、そう簡単に再会できないのです。が、またもっと良い作品を描けば良いのだ!!



[画像]
《舟》
2010/06/27
岩絵具、パネルに寒冷紗
18.0×14.0cm
個人蔵
《A Boat》
Powdered mineral pigments on cheesecloth mounted on panel
Private collection
※画像の無断転載・転用を禁止します