アーティスト 加藤雄太 のブログ
展覧会のレヴュー、本の感想、その他制作の日々の模様など。
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『損保ジャパン美術財団 選抜奨励展』
 今日から、『第30回 損保ジャパン美術財団 選抜奨励展』が始まりました!
 それに先駆け、昨日は内覧会とレセプションパーティーが開かれたので、行ってきたのです。
展覧会『損保ジャパン 選抜奨励展』2011

 会場は、新宿西口からすぐの、損保ジャパン本社ビルにある、損保ジャパン東郷青児美術館。ゴッホのひまわりを所有している美術館です。

 この選抜奨励展は、普通の公募展とは違い、作家の意志で出品できるものではありません。全国にいる推薦委員が推薦した若手作家と、各団体展で損保ジャパンの賞を獲った作家だけが参加できる展覧会です。
 僕、加藤雄太も今回、以前の個展がきっかけで推薦枠の方で参加の機会を頂きました。
 《旅する舟のように》という作品を出品しています。

 会場に着くとかなりの人出。
 とりあえずささっと会場を観て、パーティー会場へ。こちらも凄い人。
損保ジャパン 選抜奨励展 パーティー風景

 とりあえず、落ち着いてワインを飲み続けました。

 ちなみに、食べ物も沢山食べようと思っていたのですが、今まで出席した展覧会のオープニングと違い、食べ物が補充されなかったので、すっかり次々に補充されるだろうと思って安心していた僕は食べ損ねました。
 凄い勢いで空っぽでした。
 空の器を撮っていれば、もうちょっと辛酸なめ子っぽいレポートが出来たのではないかと、ちょっと悔しく思っています。

 とまぁ、そんなことはさておき、流石30回も続いてきた展覧会だけあって、とてもしっかりしている印象。
 特に今回は、展覧会自体の若返りを図ったのか、去年までよりもずっと良い印象を受けた。
 沢山の作家さんの作品が観られるので、どんな作家が推薦されているのかを見るだけでも、面白いと思う。
 普通の公募展は3〜5人くらいの審査員によって全ての作品が決められるが、それと違い、多くの推薦委員から推薦された人たちなので、作品に偏りがないのが特徴だろう。そういった意味でも、広く現代の平面作品事情を見られるのではないだろうか。

損保ジャパン 選抜奨励展 入り口

 兎に角、大変良い機会を与えていただけて、本当に感謝しています。
 凄く励みになります!

 多くの人の目触れるし、作品が広まるきっかけになればと思いますので、どうぞ足を運んでみて下さい。

 入場すれば、常設のゴッホ《ひまわり》、ゴーギャン《アリスカンの並木道、アルル》、セザンヌ《りんごとナプキン》も観られます。

 会期は、今日2月26日〜4月3日です。
 よろしくお願いします。



[メモ]
4月3日まで
『文化庁メディア芸術祭』
 久々に、1日何も無い休日だったので、六本木へ行ってきた。

 国立新美術館。
 現在開催されている、入場無料の『文化庁メディア芸術祭』を観る。
展覧会『文化庁メディア芸術祭』2011

 今回で14回目となる文化庁メディア芸術祭。
 アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの各分野で作品を募り、受賞作が展示されている。
 毎年、大変な注目を浴びているイベントなので、この日も平日に関わらず、かなりの賑わいだった。

 特に、アート部門とエンターテインメント部門は興味深く、最先端のテクノロジーを駆使した驚愕の作品群!!

 印象に残っているものを挙げると……

 電車から撮影した車窓からの風景の動画。その動画がスクリーンに映し出されているのだけれど、なんとその動画の印象をコンピュターがピアノで曲にして演奏していた。動画の再生と同時にですよ!!しかも、ちゃんとそれなりの曲になっている。
 人の意識が介在しない音楽。それも風景からの印象による。…凄い時代だ。
(『sound / tracks』/Peter Knees, Tim Pohle, Gerhard Widmer)

 あとは、Googleマップ・ストリートヴューの画像を連続させて制作された動画が面白かったな。ストリートヴューを自分で使っている時は思いもしなかったけれど、こうして繋げて動画にしたのを見てみると、世界中何処でもロードムービーに出来るね。夜のないロードムービー。
(『NIGHT LESS』/田村友一郎)

 衝撃的だったのは、1cm四方もないくらいの小さなゲル状の物体。見た目はヤマト糊っぽいというかそんな感じなんだけど、それが小さな透明な箱の中に入っていて、ゆっくりと動いていた。
 磁力を持った物体らしいんだけど、その動きたるや、単細胞生物っていうか虫っていうか、そんな感じで、驚きの「生命っぽさ」。
 命のないものに、命や意志を感じる不思議。
(『Blob Motility』/脇田玲、中野亜希人、小林展啓)

 と、まぁ、他にも色々と凄いのがありました。体験型のもあって、ヴァーチャル・フットサルっていうかヴァーチャル・エアホッケーの様なものをやったりした。

 いやぁ、色々と考えるよね。
 未来って凄いだろうな。
 こうなってくると、むしろ何ができないんだろう?

 本当に楽しく、興味深い展示内容だった。
 結果、この後観る『シュルレアリスム展』より楽しんだのだ(笑)。
 必見!おすすめです。



[メモ]
国立新美術館 (六本木)
2月13日まで
『琳派芸術 ―第1部― 煌めく金の世界』展
 さて、ネット沈黙の間にも色々と展覧会行っており、昨年分から書いていない展覧会もあるのだけれど、会期が終了してしまったものとかも多く、とりあえずつい最近行ったこの展覧会の記事でスタートしようかと。

展覧会『琳派芸術 第1部』

 有楽町の出光美術館。『琳派芸術』という展覧会。
 これは、酒井抱一の生誕250年を記念してのもので、会期が2期に分かれている。
 現在は第1部の会期で、『煌めく金の世界』というタイトルが付いている。

 何度か言ったことがあると思うけれど、僕は酒井抱一が好きなんだよね。
 それと、これは僕のネット沈黙の原因の1つでもあったのだけれど、なんか最近のあれやこれやと“発言力”のある人の発した言葉によって、従順に動き回り肯定する若い学生なんかを見ていると、ホント虚しくなって、ほとほと嫌になって、脱力を通り越した憤りを感じていたんだな。まぁ、この辺は機会があればまたそのとき話すとして。
 兎に角、何かしら時間のふるいの中を生き残り続けたマスターピースを見て、安らぎたかったのだ。

 で、観に行ったら、第1部は抱一はなく宗達や光琳がメインであった(笑)。

 でも、良かったなぁ。
 いや〜、琳派なんて色んな作品見てるし、何回も見てるし、西洋美術でいう印象派のような日本人が大好きなもので、ベタだし、っていうのは分かる。分かるが、そういうことじゃないんだよ。やっぱ良いものは良いんだ。

 前、尊敬するとあるモジャモジャテンパさんが言っていたなぁ。印象派なんてデパートでおばさんたちが綺麗ねぇなんて言いながら見るものだと思っていたけど、直島で大好きなジェームス・タレルの作品を見て、満足して、その後奥のモネの部屋へ行ったら、立ち上がってくる作品の力に圧倒されたと。つまり、モネの前にタレルが敗北した瞬間だった、と言っていた。
 記事を書きながら、そんな話を唐突に思い出した。

 色紙の小品に砂子(すなご=金箔を細かくして播いたもの)が播かれた小品とか、印象に残っているなぁ。

 まぁ、ちょっと感情的に感想を書いたので、超絶賛みたいな文章になってしまったが、実際は琳派の展覧会としては、ちょっと地味だと思う。
 でも、充分に見所がある内容だった。
 本阿弥光悦の書も見事。
 尾形乾山の乾山焼きも見事。

 眼差しとか、美意識とか、改めてグッとくる。

 なんにしても、こうした芸術に触れて、ちょっと精神が潤った。
 今まで観てきた色んなものを綜合して、そして、自分の画面に放出しようと思う。



[メモ]
出光美術館 (千代田区)
2月6日まで
2011年2月
作品 201102

 皆さん、新年あけまし………

 えっ!!
 2月!!
 2011年2月。

 …ゲフンゴフン。

 ようやく、私、加藤雄太は「ネット正月」を終え、ウェブの世界へと帰ってきました!
 復活!!
 長い長い冬眠中も、アクセスして下さっていた皆さん、本当にありがとうございます。

 今年は、色々と動いていき、そして、来るべき日へ向け、コツコツと力を蓄えながら準備をしていく年にしようと思います。待ってろ世界っ!!
 本を読むとか英語を習得するとか、そんなのはもはや“当たり前”でこなす。況や制作をや。

 それでは、皆様どうぞ、2011年もよろしくお願い申し上げます。



[画像]
《時は寄る辺のない海にも似て》
2010/09/02
岩絵具、パネルに寒冷紗
72.7×72.7cm
《…》
Powdered mineral pigments on cheesecloth mounted on panel
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