アーティスト 加藤雄太 のブログ
展覧会のレヴュー、本の感想、その他制作の日々の模様など。
ホームページは yutakato.com 作品掲載してます。

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 3月の旅の記録も書き終わった。

 気づけば、本当に久しぶりのブログだった。ログを見ると実にちょうど1年ぶりである。

 その間、僕はといえば、平凡……なわけでは決してなく、起伏に富んだ日々だった。
 その道中にあった起伏、即ち坂や岩、絶壁や障害は、ごく親しい人たちと本人、そして僕の心のうちにだけ在ればよいと思う。

 こうして再びキーを叩いて雑記を綴る気になったのも、冷たい雨によって濡れた草花がそのまま凍りついていたのが、漸く暖かな空気にその冷たい衣を溶かし、生き生きとした鮮やかな色を滴る朝露の中に見せ始めたと、そう強く感じることができるからだ。

 歯車が、再び回り始めて、また呼吸を始めることができたよ。


 制作は行っていたけど、ペースがあがるのはこれから。
 次の個展などはまだ決めていない。追われることをしたくないから。安定した作品に逃げたくないから。
 でも、その分、次に発表する時は、楽しみにしていた全員を良い意味で裏切ることができるでしょう。予測可能な才能なんてクソ食らえ。
 そろそろ大きく跳躍します。


グレートジャーニー2013春 5日目 - 京都〜埼玉
 昨夜はホテル5階の浴場を1人独占で満喫した後、軽くお酒を飲み、疲れを癒すべく眠りについた。
 チェックアウトは11時でゆっくり出来るので、朝はぎりぎりまで部屋にいた。

京都 ホワイトホテル ド“ワ”ノブである。

 さて、今日は何を見ようか。
 旅に出発する前から、今日の予定は悩んでいて、最初は奈良を回ろうかと思っていた。
 飛鳥寺→東大寺→浄瑠璃寺、という具合に、僕の好きなお寺に1人で落ち着いて行こうかと。
 が、行ったことある場所よりは、行ったこと無い場所の方がいいかなぁ、と考え直したり。
 迷ったけれど、結局は京都を回ることにして、三十三間堂と延暦寺に行くことに決めた!

京都 ホワイトホテル 泊まった宿:京都ホワイトホテル

京都 ホワイトホテル めちゃくちゃ分かりにくい場所にあった。でも、京都駅から本当にすぐで良い。

 さて、三十三間堂はここから歩いて15分20分の距離。行って満車とかだったら嫌だなぁ、と思い、ホテルで車を置かせてくれないか聞くと、即快諾!ありがとうございますっ。

 ということで、パオにはお留守番をしててもらい、歩いて三十三間堂を目指すことにした。

京都 鴨川 鴨川。

 確か、途中のコンビニで、ホットのお茶と栄養ドリンクを買った気がする。疲れていたので。

 間もなく、三十三間堂に到着。

京都 三十三間堂 

京都 三十三間堂 修復(?)中。岩絵具で塗っているのかと思ったら、違った。チラッと見る限りだけど、技法的にあの塗り方だと膠も岩絵具も使えないと思うので、恐らくアクリルかペンキかであろう。ちょっとガッカリ。

京都 三十三間堂 初の三十三間堂。

 やっぱり春の京都は賑わっていて、観光客が沢山。外国人も大勢来ていました。

京都 三十三間堂 それにしても長い!!

 さっそく、拝観料払って内部に潜入。
 そして、僕は驚愕するわけです………。

 すげぇぇーーーーーーーっっ!!!!!!!!

 あのね、今回の旅の全行程の中で、1番テンションがあがったのは、直島でも豊島でもなく、ここ三十三間堂でした。
 本当に驚いたよ。
 そして、下手に学生とかの頃にこれを観ていなくて、今初めて観るという体験が出来て、本当に良かった!
 教養や経験、磨かれた感性、色んなものが育ってきた今だからこそ、よりググッと響いてきた。

 兎に角,圧倒的。凄まじい強度。想像を遥かに超えていました。
 祈りの力。時を超えた重み。名付け得ぬね、本当。

 口をあんぐり開けて、感嘆した後、出てきて境内を散策。

京都 三十三間堂 素敵な瓦。カッコいいね。

京都 三十三間堂 花の季節で、タイミングが良かった。

 と、大満足で三十三間堂を後にしたわけである。

 ホテルへ戻り、PAOに乗り込み、いよいよ今回の旅の最後の目的地となる比叡山延暦寺を目指す。これは車じゃなきゃ行かないだろう、ということで、折角なので行ってみるのだ。

京都 比叡山 比叡山ドライブウェイを登り中。

 くねくねと目が回りそうな道をしばらく登って行くと、延暦寺に到着。

京都 比叡山延暦寺 標高もだいぶ高くなるので、空気が京都の街中とは違いました。

 因みに、延暦寺って京都じゃなくて滋賀なんだね。
 更に言うと、延暦寺っていう建物はどこを探してもなくて、全体を総称して延暦寺というんですね。今更すいませんでした。

 
京都 比叡山延暦寺 さっそく入り口を入って進む。

 と、直ぐに気づいたのだけれど……超広い!
 もうこれは全部見て回るのは無理だと諦める。
 天気も崩れそうだったし、あんまり出発が遅くなるのも嫌だ。

 見られる範囲ということで、逍遥。

京都 比叡山延暦寺 あれ、金刀比羅宮でも同じようなことをした気が……。

京都 比叡山延暦寺 年期があります。

 流石に、比叡山ともなると、観光客の数はグッと減り、空いている。確か外国人も見なかったと思う。
 山中を歩き回っているかのような、冷たい空気を呼吸。気持ちよかった。

京都 比叡山延暦寺 この右の建物は、中に入って撮影も出来たんだけど、あえてここには掲載しません。

京都 比叡山延暦寺 なんと、水琴窟。

京都 比叡山延暦寺 本当に澄んで甲高い、透明で奥行きのある、そんな音が聴こえてきた。

 間もなく、ぽつぽつと雨が降り始める。

京都 比叡山延暦寺 ここが、国宝の根本中堂。

 根本中堂は比叡山延暦寺の総本堂。
 中は本当に荘厳。歩ける範囲以上に、奥行きがあって深い。

 見終わる頃には、だいぶ雨足も強くなってきて、引き上げ時を告げるかのようだ。

 お土産屋に避難し、小休憩した後、PAOに乗り込んだ。

京都 比叡山延暦寺 

 いよいよ延暦寺を後にします。
 つまり、帰路につくということ。

 途中のサービスエリアで数時間眠ったりしながら、わざと日付を跨ぐように帰る。
 結果、夜中の2時過ぎくらいに自宅に着きました。

 今回の旅はこれで終わりです。
 呼吸した空気、見た光景、全てが栄養になりました。
 旅するとは移動すること。そして、移動は必ず恵みをくれます。
 移動とは身体を通した体験です。インターネットは知の宝庫ですが、身体を通す体験ではありません。
 印象や概要は世の中を流通しますが、質感はその物の目の前に行かないと経験できません。場の雰囲気を話すことはできますが、絶対に共有はできません。
 だから、アートも評論も、実物を見なければ、本当には語れない。
 今回の旅は、必ず僕の今後の制作に活きることでしょう。


グレートジャーニー2013春 4日目 - 香川(直島)〜岡山〜京都
 旅も4日目。今日で『瀬戸内国際芸術祭2013春』を観るのは最終日。

 宿で起床し、今回は朝ご飯も付けているので食べ、昨日が島全体の休館日で観られなかった直島の観光に出発。

瀬戸内国際芸術祭 自転車 チャリで。

 泊まった宿は、宿泊客に無料で自転車を貸してくれたのだ。
 自転車の鍵も解錠しっぱなしの、何とも平和な町、直島。そもそも盗まれないし、仮に盗まれても直ぐに発見されるだろう。

 一番の目当てである地中美術館を目指すのだけど、意気揚々とスタートしたものの、実は結構な道のりだった…。

瀬戸内国際芸術祭 自転車 キコキコ。行きはほぼ登りでした。

瀬戸内国際芸術祭 自転車 景色は綺麗だけど、結構必至です(汗)。パオだったら、すごく気持ちよいだろうなぁ。

それでもペダルを漕ぎ続け、ようやく到着。

瀬戸内国際芸術祭 チケットセンター 地中美術館のチケットセンター。

 が、ここで問題発生!
 なんと、お客が多過ぎて、そもそもこのチケットセンターで美術館の入場券を買う為の整理券を配られる…。

瀬戸内国際芸術祭 整理券 ショックな映像。(僕らは10:30くらいに着いた)

 実に1時間以上経たないと、チケットが買えない!

 仕方が無いので、途中にあった李禹煥(リー・ウーファン)美術館を観ようか、ということになる。徒歩5分くらいの場所にあるので、時間をつぶすには丁度良い。

 
瀬戸内国際芸術祭 リー・ウーファン 到着。

 美術館は立派で、野外も広い芝が広がっていて、作品が設置してある。もちろん、美術館館内にも展示室がある。

 
瀬戸内国際芸術祭 リー・ウーファン 眺めもとても良い。芝に転がりたくなる、そんなロケーション。

 まとまった量の作品観るのは、何年も前に観た横浜美術館での個展と割と最近観た SCAI THE BATHHOUSE での個展以来かな。
 久々に観る李禹煥の作品はなかなか良かった。僕は、あんまり彼のペインティングにはグッとこないので、やはり立体作品が良かったな〜。石の影に映像が映るインスタレーションとか刺激的でした。

 
瀬戸内国際芸術祭 リー・ウーファン 館内は撮れないので、野外の画像をお送りしています。

 そうこうしているうちに、あっという間に時間は過ぎ、入場券を買える時間になったので、地中美術館チケットセンターへと戻る。
 結局待ち時間なんて苦じゃなかった、というかむしろ、面白かった。

 無事入場券を購入し、いざ地中美術館へ!

瀬戸内国際芸術祭 地中美術館 撮影はここまで。けっこう厳しくカメラ規制される。

 今回の瀬戸内国際芸術祭の中で1番楽しみにしていただけあって、期待はすこぶる高い。

 美術館自体の設計は安藤忠雄。館内には、モネの部屋、ジェームズ・タレルの部屋、ウォルター・デ・マリアの部屋、と限られたアーティストの数故、それぞれの作品が他の作品に邪魔されること無く、個展のように鑑賞することが出来る。それに各部屋は、作品が映えるように、その作品たちの為の設計がされている。まさに作品にとって理想的な環境。

 大好きな現代アーティストのジェームズ・タレルの作品は、特に楽しみにしていた。
 彼は、光自体を作品にする人。自然光、人工光、どちらもある。
 以前のブログで、去年、越後妻有アートトリエンナーレに行ったという話はしたけど、その時もタレルは特に観たい目的の1つで、作品の『光の館』を観に行った。実際、とても良かった。

 ここ地中美術館のタレルの作品は3つあるのだけれど、その中の1つは全く予期していないタイプの作品で意表をつかれたなぁ。不思議な空間だった。

 モネも良かった。晩年のモネの大作が複数。四方の壁を囲んでいた。
 晩年のモネの作品が持つ魅力については、以前の僕のモネ展の記事を参照して欲しい。

 と、とても豪華な作りで、少数だが贅沢な作品が続いた。
 でも、ちょっと観る前に自分の中で期待値上げ過ぎて、ハードル高くなっちゃったのかなぁ(笑)。もっと強烈な強度の体験を期待してしまった。
 まぁ、また落ち着いてゆっくりと観てみたいです。

瀬戸内国際芸術祭 地中美術館 展示も観終わり、地中美術館のカフェでランチ。

 瀬戸内海が一望できます。

美術館とチケットセンター間の道にあるモネの庭。

瀬戸内国際芸術祭 モネの庭 ちょっとショボかった…。

瀬戸内国際芸術祭 警笛鳴らせ 一昨日の夜、宇野の宿へ行く獣道と、ここ地中美術館への途中で、初めて「警笛鳴らせ(区間)」の標識見ました。

 美術館を後にして、宿へ自転車を返しにいくんだけど、実は泊まった宿の周囲はまさに「家プロジェクト」という作品ゾーン。
 全部で確か7つかな?空き家とかを利用して、その中に作品を作ったというもの。それぞれの建物につき別なアーティストが担当している。
 実は、とても恵まれた場所に宿があることに気づくのが遅かった(苦笑)。

 しかも、家プロジェクトには、ジェームズ・タレルの『南寺』ってのもあるんだよ!でも、もう入場制限で終了していたのだよ!!
 更に言うと、昨日の豊島美術館のアーティスト内藤礼の『きんざ』ってのもあるんだよ!でも事前予約制で、遠い先まで埋まってて無理だったんだよ!!
 いつか、観に再び訪れます。

瀬戸内国際芸術祭 直島 こちらは家プロジェクト、大竹伸朗の『はいしゃ』。パスポート無い僕らは、中に入るのにお金がかかるから時間も無いし外観だけ。

 結局、これまた大好きなアーティスト宮島達男の『角屋』だけをちゃんとチケット買って入って観ました。良かったです。
 宮島達男の作品がどんな感じなのかは、以前の SCAI THE BATHHOUSE での個展の記事をご覧頂ければと。

 さて、いよいよ瀬戸内の島ともお別れ。
 フェリーで再び岡山の宇野を目指します。

 またね!四国!

瀬戸内国際芸術祭 フェリー 

 宇野でパオにただいまをして、とりあえずナルド(マクドナルド)へ行って、今後の作戦会議。

 リンリンとは今日でお別れなので、どうしようかと話す。
 僕は、もともと京都か奈良へ行って、明日観光してから帰るつもりでいた。
 色々と作戦練ったけど、リンリンの仕事の予定もあるので、ここ宇野で別れることになった。彼は明日、福井で仕事の打ち合わせらしい。

 名残惜しんで、親友との暫しの別れ。

 一抹の寂しさを感じながらも、頼れる相棒PAOで京都を目指す。
 別れの寂しさ。終わる切なさ。それらはマイナスの要素では無く、そういった全てが人生や旅の豊かさなのだ。

 さぁ、泊まるあても、観てまわる予定も、なにも無いけれど、折角だから京都へ寄ろう!

 夜。京都着。
 適当にインターチェンジを下りて、とりあえず全く分からないので、京都駅を目指して、駅付近のコインパーキングへ停めて、ホテルを探す。

 大阪の堺で素敵な一時をくれた東横インは、京都駅付近に3件あるけど全て断られ、適当な旅館に入って空室と料金聞いたりと、超寒い中困っていたけど、なんとかビジネスホテルをゲット!
 ラスト1室の和室ならいいよー、とのこと。駐車代もタダ。即決。

 到着してみると、色んなところに色んな意味で、かなりのアバウトさが光る素敵なホテル(笑)。
 でも、高層浴場もあるしいいじゃないか!
 京都まで来て、結局コンビニ弁当になっちゃったけど、仕方ないよね。たぶん、宿泊客の半数は外国人だったんじゃないかな。

京都 ホテル 

 さあ、風呂入ろう!
 そして、たっぷり眠ろう!明日は寝坊しよう!チェックアウトは11時だから。

 to be continued...


グレートジャーニー2013春 3日目 - 岡山〜香川(直島〜豊島〜直島)
 朝、目覚めると、真っ暗で何も見えなかった宿からの眺めは絶景であった。

湖畔の宿 玉仙

湖畔の宿 玉仙 泊まった宿。「湖畔の宿 玉仙

湖畔の宿 玉仙 その辺どこでもいいよ、と言われ、適当に停めたパオさん。

 さて、今日はパオで宇野駅周辺へ戻り、瀬戸内国際芸術祭の臨時駐車場に停めたら、フェリーに乗っていよいよメイン会場である瀬戸内海の島々へと渡る。

 本日は、恐らく会場の中でも一番有名であろう「直島」を目指す。

瀬戸内国際芸術祭 宇野

 たしか、直島の宮之浦港まで200円ちょい。時間にして、15分くらいだったと思う。

瀬戸内国際芸術祭 フェリー 船内は、なかなかの賑わい。外国人も多いのが印象的。

瀬戸内国際芸術祭 フェリー

 出港。

 間もなく事件。
 船内放送から、今日(月曜)は、直島の芸術祭会場施設がベネッセミュージアムを除き全て休館日、と案内が流れる……。
 チーン……。

 大変な衝撃である。

 が、明日行く予定だった豊島(てしま)に今日は行こう!そして、今宵の宿は直島の民宿なので直島に戻って来て泊まり、明日は起きたらそのまま直島を観よう!そうしたら、明日が有意義じゃないか!と、結構効率的な感じに予定変更。
 旅を終えた今振り返ると、結果としてはこの方が正解だった気がする。

瀬戸内国際芸術祭 フェリー あらゆるアート施設が休館日の島へ、意気揚々と到着。
 草間彌生のかぼちゃが見えますね。

 早速、豊島行きのフェリーに乗るのだけど、その前に荷物を預けよう、ということになり、直島の宮之浦港周辺を軽く散策。
 ちなみに、予約してある旅館はここ宮之浦港の反対側の本村港の側なので、宿ではなく手荷物預かり屋さんに預けることにした。

 直島をちょろっと散歩し始めると、早速有名な建物が。

瀬戸内国際芸術祭 直島 大竹伸朗の『直島銭湯 I♡湯』。実際に銭湯として機能しています。

瀬戸内国際芸術祭 直島 これも I♡湯 。

 町並みも、本当に素敵。

瀬戸内国際芸術祭 直島

 なんとも良い雰囲気なのは充分わかったので、港へ戻って豊島行きのフェリーに乗船。

瀬戸内国際芸術祭 直島

瀬戸内国際芸術祭 フェリー デッキ席に座ったので、とても寒かった。

瀬戸内国際芸術祭 豊島 豊島、上陸。

 豊島はレンタサイクルを借りると便利だと聞いていたので、借りようと思ったら、なんと全車貸し出し中。
 改めて、芸術祭の人気を知る。

 仕方ないので、バスにのり、豊島最大の目的である豊島美術館を目指す。

 …けっこう距離あるよ。すごい上り道だし。電動アシストないと死んじゃうんじゃないか。

瀬戸内国際芸術祭 豊島 豊島美術館前、着。金髪外人さんが、こんな田舎の片隅を歩いている不思議。

瀬戸内国際芸術祭 豊島美術館 こちらが豊島美術館。右のドームが美術館で、左のドームはミュージアムショップ兼カフェ。

 豊島美術館は僕が大好きなアーティスト、そう恐らく現存する現代アーティストでは3本の指に入るくらい好きなアーティストである内藤礼の作品の為の美術館である。以前、神奈川県立近代美術館 鎌倉館で、『内藤礼 すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している』展を観て、僕はぶちのめされた。

 さて、気持ちは流行るが腹ごしらえ。

瀬戸内国際芸術祭 豊島美術館 これがミュージアムショップ圏カフェの内部。

 ランチはお上品な量でした(笑)。

瀬戸内国際芸術祭 豊島美術館 物販側。

 お腹も満たされたところで…

瀬戸内国際芸術祭 豊島美術館 僕。

瀬戸内国際芸術祭 豊島美術館 僕。

瀬戸内国際芸術祭 豊島美術館 僕。

瀬戸内国際芸術祭 豊島美術館 僕。

瀬戸内国際芸術祭 豊島美術館 この先が美術館入り口です。

 いやー、すごいよかったよ。
 1人の作家の1つの空間の為にこういう場所が与えられているなんて、なんて羨ましいんだろう。
 じゃなきゃ、この展示は成り立ちようが無い。そんな空間だった。

 そこでは、風も、水も、音も、光も、全てが作品だった。

 さて、バスに再び乗り、豊島の上陸した側とは逆サイドにあたる唐櫃地区の方へと向かう。
 そこには、クリスチャン・ボルタンスキーの作品があるのだ。
 そういえばブログにしていないけれど、実は去年の夏に、越後妻有アートトリエンナーレに行ってきたんだけど、その時のオレ的ベストアーティスト賞はクリスチャン・ボルタンスキーでした。
 つまり、楽しみだということ。

瀬戸内国際芸術祭 豊島 終点でバスを降り、歩いてボルタンスキーの作品を目指す。

瀬戸内国際芸術祭 豊島 これは、途中にあった作品。

瀬戸内国際芸術祭 豊島 実際に、バスケが出来ます。結構楽しみました(笑)。

 この時のバスケの様子もそうなんだけど、旅の中でリンリンがiPadで撮った動画が結構あって、それが面白いんですよ、すごく。でも、僕まだデータ持ってなくて。

瀬戸内国際芸術祭 豊島 風情。

瀬戸内国際芸術祭 豊島 着きました。これは、作品の目の前の海。少し休憩。


 中に入ると、展示室があって、そこは真っ暗なんだけど、1つだけ電球がぶら下がっている。爆音で鳴り響く心臓の鼓動の音にあわせて、その電球が発光するというインスタレーション。
 心臓音は、世界各地で希望者によってサンプリングされたものがランダムで延々と流れる。リンリンも以前録音したらしい。

瀬戸内国際芸術祭 ボルタンスキー 別室では、パソコンで検索して、過去に録音された好きな人の鼓動の音を聴くことが出来る。ので、昔の自分の鼓動に聴き入る林太郎氏。

 その後、再びバスに乗り、また島の反対側へと戻り、フェリーに乗り、直島へ向かう。
 ちなみに、豊島→直島便の最終便だったのだけれど、なんと人が多過ぎて乗り切れず、臨時便が出た。

瀬戸内国際芸術祭 フェリー ちょいちょい小腹を満たしたがる鈴木林太郎氏。

再び、直島着。

瀬戸内国際芸術祭 直島 さっきは時間がなくてろくに観られなかった草間彌生のカボチャをまじまじと。

瀬戸内国際芸術祭 直島 中に入れます。

瀬戸内国際芸術祭 直島 内部はこんな感じ。

瀬戸内国際芸術祭 直島 暮れ行く空が、綺麗だった。

 宿は島の反対側の本村港の方なので、預けてた荷物を受け取りバスで移動。

瀬戸内国際芸術祭 直島 これが超交通の便の悪い田舎のバスです。国際的ですね。

瀬戸内国際芸術祭 直島 今宵の宿。


 古民家をそのまま宿泊施設として利用している民宿。
 が、古民家は1日1組で予約できなかったので、僕らは別棟です。

瀬戸内国際芸術祭 直島 こちら。別棟の「やどかり」。

 ちょっと1人で港まで散歩に行ってみる。

瀬戸内国際芸術祭 直島 

瀬戸内国際芸術祭 直島 日も沈んだ。

 この夜だけは、ちゃんと夕食のついた宿ということで、贅沢にいきました。
 民宿だからこじんまりとはしていたけど、良かったな。
 向かいの席は、香港から来たカップルだった。男の人はドラマとかの脚本書いてるライターって言ってたな〜。僕のリスニングが間違ってなければ。

 さて、今夜は飲もう!(毎晩飲んだけど)ということで、BARを探すも内心はそんなの無いと2人とも思っていたのだが、なんと宿から目と鼻の先の距離に、直島唯一の深夜営業のお店であるBARがあったのだ!!偶然発見!即入る。

瀬戸内国際芸術祭 直島 

 この夜、この店で話したことがなんともスリリングで、深くて。自分のアートについて考える上で、きっと今後もずっと重要なこととして、僕の心のなかに在り続けるだろう。そんな素敵な思考が出来たBARの夜。

瀬戸内国際芸術祭 直島 地ビールで乾杯。みんなおやすみ。

 to be continued...


グレートジャーニー2013春 2日目 - 大阪〜香川〜岡山
 2日目。
 そこそこ早起きをして、いざ出発。

 堺から高速に乗って、淡路島経由で金刀比羅宮を目指すことに。
 金刀比羅宮は以前から行きたかった場所。こんぴらさん、のことだよ。
 2007年に『金刀比羅宮 書院の美』という展覧会を芸大美術館で観て以来、ずっと訪ねてみたい場所だった。

淡路島 淡路島のハイウェイオアシス。

 本州を離れました。

淡路島 よい天気。

 その後も快調に、淡路島を走り続け、香川県は金刀比羅宮を目指す。

 近づくと、なんというか温泉街のようなお土産屋さんが増えてきて、駐車場を案内される。

 パオを停めて、駐車場を経営しているお土産屋兼食事処で、香川といえばうどんでしょ!ということでうどんを食す。
金刀比羅宮 うどん

 食事とお土産の合計2,000円以上で駐車代無料になるとのことで、そのままそこのお店で食べてしまったのだけれど、たまたまオーダーが立て続けに入ってしまったようで、うどんが来るまですごく待った…。この時、オレはちょっと具合が悪く…。

 まあ、胃に物を入れ、早速金刀比羅宮を目指して参道を登り始める。
 というか、金刀比羅宮に来たかったとはいえ、実際どんな場所なのかはほとんど知らなかったから、まさかこんなに階段のぼりの修行のような場所だとは思わなかったです(苦笑)。

金刀比羅宮 登ります。

金刀比羅宮 沢山の観光客。お土産屋さんが連なります。

金刀比羅宮 良い時期に訪ねる旅になって、花盛り。

金刀比羅宮 こういう横道に妙に心を奪われます。わかる?この気持ち。

金刀比羅宮 伝統?なのかな、この両側の傘下で売ってた、べっこう飴をお土産に買いました。超うまし!!

金刀比羅宮 登る。

金刀比羅宮 ゴール!…ではなく、まだ途中。

金刀比羅宮 この辺から、だいぶ空気が変わって、気持ちよかった!

金刀比羅宮 幹に、綺麗な自然の印。

金刀比羅宮 女子は、短いスカートが良いと思います。

金刀比羅宮 で、やっとこさ一番のメイン所に到着!神前結婚式をやっていました。見えるかな?

金刀比羅宮 香川を一望。

金刀比羅宮 素敵なゲイ。(ウソだよ、念の為)。

金刀比羅宮 下山中。ここが、文頭で書いた『金刀比羅宮 書院の美』の書院です!

 中は当然、撮影NG。
 みんなお参りというか、登って降りてに夢中なのか、入場料を払ってまで立ち寄る人は殆どいなく、中に入ってみると独占状態!!
 いくつもの広い和室の襖が、円山応挙などの襖絵のオンパレード。いやー、じっくり観ましたよ。静かだし、落ち着いていい場所だった。伊藤若冲の作品がある奥書院は、今では公開されていないので、そちらは観られなかったけど、でも上野で観てるしね!

金刀比羅宮 さて、麓に近づいてきました。お土産屋ですね。おばあちゃんもオブジェのように眠っています。

 そんなこんなで、無事に下山し、金刀比羅宮を後にしたのでした。


 さぁ、次は、瀬戸大橋を渡って本州に戻り、岡山の港町「宇野」を目指します。


瀬戸大橋 瀬戸大橋のサービスエリア。

 初めて見る瀬戸大橋は、想像以上に大きくて、迫力!!
 こんな建造物を造るなんて、人ってすごい……。

 本州に入り…

瀬戸内海とパオ 岡山の海沿いを走り宇野を目指す。

瀬戸内海とパオとセルフショット すてきなセルフタイマー写真(笑)。

 間もなく、無事宇野に着く。
 ここは、瀬戸内国際芸術祭の会場の直島など瀬戸内海の島々へ渡るフェリーなども出ているし、そもそも宇野自体も会場の1つとなっている。
 そんなわけで、宇野に民宿を予約してあり、瀬戸内の島へ渡る場所にしようと思ったのです。

瀬戸内国際芸術祭 旗 

 で、チェックイン前に、展示を観てまわる。

瀬戸内国際芸術祭 宇野 商店街の店舗の壁に、アラーキーの写真とか。

瀬戸内国際芸術祭 宇野 

瀬戸内国際芸術祭 宇野 数は決して多くない会場ですが、だいたいの展示を観ました。

瀬戸内国際芸術祭 宇野 

 でもね、この宇野は芸術祭の会場としてはかなり小規模で、作品も正直大したこと無かったです。面白くない。
 無理してルートに入れる必要は無いでしょう。ただ、島々へのアクセスはとても良いですよ。
 あと、極端にお店や、食べるところなどが少ないんで、宿泊の拠点に考えている人は要注意ですね。

 さて、町を後にして、民宿へ向かうのでした。
 これがまた、超獣道で、この先に本当に民宿なんかあるの!??と思うような真っ暗でくねくねの道をパオでひたすら進み、無事宿に辿り着いたのでした。
 真っ暗で、周り何も見えなくて。民宿の姿もよくわからなかった(笑)。
 民宿のおばちゃんに、車を停める場所を聞くと……

 「その辺どこでもいいよ!」

 to be continued...


グレートジャーニー2013春 1日目 - 埼玉〜大阪
 長らく放置していました!お久しぶりです!
 これからはちょくちょく更新していこうと思います。

 Blog復活のきっかけとして、先日行ってきた旅のレポートをしようかと。
 関西を経由して、『瀬戸内国際芸術祭2013 春』を観に四国へ。

 まずは初日編です。

 今回の旅のお供は、こちら!
パオ 日産PAO
 出発は3月23日の朝4時過ぎくらい。
 土曜日なので、高速がETC休日割引で大体半額なのだ。

 今日の目的地は大阪。
 四国まで一気に行くのはキツイので中継点であり、僕のPAOを仕上げてくれたカズモータースがある地であり、相棒と合流する場所でもある。

瀬戸内国際芸術祭 足柄SA
 未明の富士が見える。

 朝ご飯をまだ食べてなかったので、確か蕎麦を食した気がする。

 で、その後も快調に走り続け、お昼過ぎくらいに大阪着。貝塚まで行き高速を降り、いよいよカズモータースへ。

 ここは、パイクカー専門の整備工場で、僕のPAOもここで1から整備して納車してもらったのだ。
 PAOは25年前の車なのだけれど、カズモータースが造るPAOは25年前の車とは思えないやんちゃっぷりというか快調っぷりというか、兎に角一般的に流通しているPAOの常識なんかは通用しない感じ。
 実際、今回のように平気で四国往復とか出来ます(しかも、かなりの速度でw)。
 ウソだと思うなら、僕のPAOに乗ってみるとよいと思います。
 オレ、納車から4ヶ月で6,000kmくらい走ってる……(笑)。

瀬戸内国際芸術祭 わんこのゆずくんがいらっしゃいました。


瀬戸内国際芸術祭 カズモータース と、快調なPAOなんだけど、より元気にする為に、カズさんのゴッドハンドによりこちょこちょしているとこ。
 超忙しい中、何時間も居座った僕の相手をして頂いて、大感謝!

 さて、今夜の寝床は決まっていない。相棒は今日は合流できないらしい。
 ということで、ネットでホテル検索。カズさんたちのアドバイスで天王寺周辺で探す。

 すると、1400円とか1700円のホテルがいくつか見つかり、予約が取れた!
 どう考えても安い。
 ホテルが見つかった報告をして、出発しようかと思うと、カズさんたちがなにやら不穏な表情。

 カ「ひょっとして、そこは西成じゃないですか?」
 僕「んーと、そうですね!」
 カ「加藤さん、そこはスラム街です。日本じゃないです。外国です。」
 ヨ「このご時世に、タバコ屋の入り口に“ポンプあります”って書いてあるんですよ」(※ポンプ=注射器)
 カ「加藤さんみたいな人が、1人で歩いていたら、最低5回はチャリに乗ったおっちゃんに「にいちゃん、あるで!あるで!」って言われますよ」
 ヨ「でも、加藤さんならありですね!行けますよ」
 カ「ホンマに考え直した方がいいと思いますね〜」

 と、他にも色々とだいぶ怖いことを言われる。
 が、社会科見学だと言い切って、果敢に出発するのだった。もちろん、内心不安にガタブルしながら…。

 さて、一抹の不安を抱きながら、西成のホテル目指して進んでいると、相棒から電話。
 なんと今夜合流可能の知らせ!
 おお!神よ!
 さよなら西成!
 僕は相棒ともっとちゃんとしたビジネスホテル探します!

 ということで、急遽、堺で待ち合わせることに。
 合流したのは、実に2年以上ぶりくらいに会う親友、あの人です……

瀬戸内国際芸術祭 リンリン合流King of Hentai!KOH!
 リンリン!

 すっかり、藤田嗣治のような出立ちになりましたね。

藤田嗣治比較用。レオナール・フジタ(藤田嗣治)。

 さて、本当に久々に会った親友との話も尽きないが、明日からのハードな予定もあるので、幸せに日本の外国…ではなく、堺の東横インで眠るのでした。

 to be continued...